研究紀要第76号 「情報活用能力の育成に関する研究 第1年次」 -094/137page

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(2)情報活用能力の育成要素の構造化と到達目標の設定

 前に述べたように,「基礎的資質」は,これからの児童・生徒にとって極めて重要となっており.育成にあたっては,「どの部分をどれだけどのように育成すべきか」を,発達段階に応じて十分に検討する必要がある。

 本研究では,まず,最終到達目標を,来たるべき高度情報社会を想定して「高度情報社会に対応できる心豊かで創造的な人間の育成」においた。

 次に,これを成立させる「情報の処理と創造力 の形成」,「情報化社会の認識と情報モラルの確 立」,「情報手段の理解と操作能力の習得」の3 つの目標を設定し,これを上位目標とした。

 さらに,これらを構成する要素のうち,「収集」 「選択」,「処理」,「創造」,「伝達」,「情 報化社会の特質」,「情報化の進展がもたらす影 響」,「情報の重要性」,「情報に対する責任」, 「情報手段の特徴」,「情報手段の基本的操作」 から,上位目標を支える12の下位目標を設定した。 (図−2)

 これらの目標を具現化するための手だてや学習 課題,評価などについては,児童・生徒の生活経 験や情報に関する実態調査等を踏まえながら検討 を加えることとした。

図-2 情報活用能力育成目標の構造化
図-2 情報活用能力育成目標の構造化

2.研究計画の概要

 本研究は,「情報活用能力の育成に関する研究」 として昭和63年2月から2年計画によりスター卜 したが,本年度(第1年次)は,情報活用能力に 関する理論研究と情報活用に関する基礎調査を行 うとともに,2年次へ向けての評定尺度の作成と 実践モデルの作成,並びにその試行・検証を実施 することとした。図一3に,その概要を示す。

一年次

図-3 研究計画の概要
  1年次の実践に基づく情報活用能力に関する研究協力校(小・中・高)での実践

図-3 研究計画の概要


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