研究紀要第78号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第3年次」 -001/135page

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学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究

       ― 自己啓発を促す校内研究のあり方・すすめ方 ―
l 研究の趣旨
 臨時教育審議会答申「現職研修の充実」の中では、教員の資質の向上と,変化する社会や児童生徒に即応した教育の重要性が提言されている。更に,教員の研修については,各学校の教育課題解決にねらいをおき,計画(P),実施(D),評価(S)のマネージメントサイクルにもとづき,全職員が協働であたり,相互に教え,教えられる関係を通して自己啓発を図りながら進めることの重要さも述べられている。
 本研究では,こうした点に着目し,昭和61年度より校内研究の充実を図る資料の提供を目的として上記の実践研究を開始した。まず,教育現場の現状を把握するため予備調査を実施した。
 その結果,次のような問題点を把握することができた。
1 自校の教育課題解決のための研修  2 協働意欲に支えられた研修
3 日々の授業に結びつく研修    4 教師も児童生徒も共に向上が確認できる研修
等の点で問題がある。
 そこで当学校経営部では,校内研究の質的充実と活性化を図ると共に教師個々人の研究に対する自己啓発(教師の自己教育力)を現職教育共同研究の中でどう高めていくか,を課題として「自己啓発を促す校内研究のすすめ方」を究明することが「先生方のニーズに応える研究」になると考え上記の主題を設定した。
 つまり,本研究は「自己啓発を促す校内研究の組織体制,意識態勢,企画運営はどうあったらよいか」に視点を当て「学校の経営過程における現職研修のあり方」を追究した研究である。

II 第1年時研究実践概要(昭和62年度)
 1 自己啓発を促す校内研究必要条件の確認
 校内研究推進上自己啓発されるのはどんな場合なのか,研究に当たっての必要条件を次のようにおさえた。
○ 個人の課題意識,改善意欲と協同意欲 ○ 適性や希望が生かされた組織体制
○ 到達が明解な研究推進計画      ○ 実質的な研修時間の確保
○ 研究推進に関しての共通理解と成果の共有化とその累積活用
○ リーダーによる刺激と適切な指導助言 ○ 新しい知識・情報の導入,提示とその活用
○ 全員で計画,実施,評価がなされ,教師も児童生徒も共に向上をめざす実質的な研究であること。以上のような必要条件が校内研究推進過程で生きて働くとき自己啓発は促されると考えた。
2 自己啓発阻害要因と改善点を見つける調査研究の実施
 次に取り組んだことは,現状において前記必要条件を阻害しているものは何か,陥没点はどこなのか,を明らかにするために「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する調査研究」であった。
 そこでは,自己啓発にかかわる設問内容を作成し調査結果を,学校規模別,年代別,男女別

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