研究紀要第85号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -097/123page

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2 調査結果と考察

(1)健康に関すること

 「健康」は,児童生徒が自己実現を図っていく上で,最も基礎的なことがらの一つであることから,児童生徒や親の健康への関心度や,教師の児童生徒への健康の維持・増進のためのかかわりについて考察した。

図1 【児童生徒】 病気をしないよう気をつけていますか。
図1【児童生徒】 病気をしないよう気をつけていますか。

棒グラフ1 小学生現在棒グラフ2 中学生現在棒グラフ3 高校生現在棒グラフ4 今後

 図1から,児童生徒が病気をしないように,「よく心がけている」「心がけている」を合わせると小学生78%,中学生69%,高校生60%とかなり高い。

 しかし,「あまり心がけていない」は,小・中・高等学校へと進につれて増えている。

 これは,成長するにつれて抵抗力が高まり,発病する割合も低くなり,かなり健康に自信が持てるようになることにも関連があるものと思われる。

 しかし,健康の維持については,かなり高い関心があることは,「今後の自分」からも十分に考察できる。

 また,「あまり心がけていない」「心がけていない」を合わせると約20%から約40%に及ぶ児童生徒がいることに注目する必要があろう。

 そこで,子どもがどの程度,自分の健康管理をしているかについて,親の意識を見た。

図2 【保護者】 あなたのお子さんは,病気をしないように気をつけていると思いますか。
図2 【保護者】 あなたのお子さんは,病気をしないように気をつけていると思いますか。

棒グラフ1 小学校親棒グラフ2 中学校親棒グラフ3 高校親

 図2の保護者の意識を見ると,「よく心がけている」の項目がやや低いものの,図1の児童生徒の意識とほぼ一致する。

 また,このような,「健康」に関する児童生徒の意識を教師は日常観察の中でどのようにとらえているのだろうか。

 次ページ図3,図4,図5は,登校時,授業時,昼食時,健康診断・面接などで,教師が児童生徒をどのように観察しているかを調査したものである。


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