研究紀要第90号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第3年次」 -029/117page
<資料>
個を生かす学年・学級アイディア集 −抜粋−
視 点 1
個の存在を認め,個の存在を大切にする内容・方法を明確にする。 それには 1−2
発達段階,学校規模等を考慮して,個の存在を大切にしようとする意識を高める。 そのために 1−2−3
一人一人の興味・関心やこだわりなどは,日々変化する場合が多いので,固定化せず柔軟な対応を心がける。 そこで
1 興味・関心,希望や悩み,熱中していることや趣味等を知るために,朝の会や帰りの会に「1分間スピーチ」を設定する。
2 ソシオメトリック・テスト,教育相談等により,情報を計画的に収集して学級経営に活用する。
3 部及び係活動について,活動内容や方法が自分および集団にとってふさわしいものであるかを検討させる。
4 学級活動等で決定したルールは固定することなく,学級のめあてに別して実態に合った内容に変更する。
5 将来の希望や進路を具体的にとらえさせ,「今,何をなすべきか」を視点に目標を立てさせる。
留 意 点
1−1 身の回りの出来事や活動等について意見や体験,感想を中心にスピーチさせる。1回で終わることなく繰り返し実施する。発表が得意でない子には原稿を書かせる等の配慮をする。
2−1 子供を支度する視点からの情報収集に努める。
3−1 活動自己評価表を作成し活用する。子供の励ましになるように担任,顧問教師の評価和も設ける。
2 累積できるように,○印を付けるなどの簡単な方法そ工夫する。
4−1 スローガン的・理想的なものでなく,実現可能なものとなるようにアドバイスする。
5−1将来「どんな人間になりたいのか」「どんな生活をしたいのか」「とんな仕事につきたいのか」など.将来の「なりたい自分」を繰り返し調査するなどして自分なりの考えを持てるようにする。
視 点 2
何の特性をとらえ,生かす内容・方法を明確にすること。 それには 2−1
教職員間の共通理解を図ったうえで,「個を生かす」ための内容・方法を学年・学級経営等に位置付ける。 そのために 2−1−1
教師と児童生徒,児童生徒相互の心の触れ合いを大切にし,望ましい人間関係を築く場を位置付ける。 そこで
1 帰りの会において,生活班・学習班,小グループの中で一人一人のよかった行動や気付いたことを発表させる。
2 地道に努力している児童生徒を学級新聞等で紹介する。
3 話し合う機会を多くするために,昼食の時間の活用を工夫する。教師が順に児童生徒と食事を共にするための会食風の場を設定する。
4 朝の会や帰りの会に,自己紹介や相互紹介等の機会を設ける。
5 教師と児童生徒の交流の輪を広けるために,できるだけ一緒に過ごすように努める。
6 奉仕活動や部活動をしている場に行き,参加態度や意欲等の情意面でのよい点を見いだし賞賛する。
7 生活の様子をよく観察し,その子だけに通じることばかけや手紙による励まし,電話による励まし・相談を計画的に実施する。
留 意 点
1−1 回数が増すごとに視点が広くなり,発表できるようになるので毎日継続して実施する。
2 教師は発表に対し認め・励ますようにする。
2−1 偏りのないようにする。そのためにも情報収集に努める。
4−1 相互紹介は組み合わせを替える等して継続して実施する。その子の持つよさに着目した紹介にする。
5−1 教師と児童生徒か共にゲームをしたり遊んだりする時間を1日の時程の中に位置付ける等の工夫をする。
6−1 活動の場だけでなく,朝の会や帰りの会を利用して級友の前でも行うようにする。
7−1 「おはよう」等のあいさつは欠かせないが,その子だけに通じる「妹さん 風邪治った?」類のことばをかける。