研究紀要第90号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第3年次」 -030/117page
視 点 3
認知面に偏ることなく,情意的側面との調和を考えた実践活動のあり方を探ること それには 3−1
情意的側面の評価のあり方について,全教職員の共通理解を図る そのために 3−1−2
児童生徒の自己評価を重視して児童生徒の特性の把握につとめ,「減点主義から加点主義」「欠陥指導型から長所伸長型」への指導観の転換を図る。 そこで
1 子どもを見る立場,観点を加点主義,長所伸長型に切り替え評価する。
2 学期ごとに自分なりの伸長が分かるように自己評価の内容,方法を工夫し実施する。
3 個性発見カード等を利用し自分のよさに気付くようにする。
4 教師自身も指導法についての自己評価を実施し,指導観の転換と指導法の改善に努める。
留 意 点
1−1 「これしか出来ないのか」から「ここまで出来たのか」といった視点で評価する。
2 評価の視点を学年会で確認し,子どもの変容を意図的計画的にとらえる。
3 日記や班日誌,観察の結果等からよい点を朝の会,帰りの会,学級通信等で紹介したりほめたりする。
4 他との比較だけでなく個人内評価を重視する。
2−1 自己評価の結果は,学年集会等を利用して意図的に紹介する。
3−1 発見カードに書かれた内容は,肯定的にとらえ尊重する。
4−1 子どもの感想,アンケー卜調査等をも活用する。
視 点 4
個性豊かな生き方のための基礎・基本を重視する内容・方法を探ること。 それには 4−1
発達段階や個々の実感に応じて,個性豊かに生きるための基礎・基本を明らかにしその習得・定着をめざす学年・学級経営を推進する。 そのために 4−1−3
児童生徒のありのままの姿を直視し,より分かろうとしながらより多くの機会をとらえて援助・指導していくようにする。 そこで
1 すべての子どもに,1日1回話しかけをする。
2 毎日少なくとも1人以上の子どもと悩みなとを話し合う機会を持ち,計画的に指導・援助する。
3 作文「先生に知っていただきたい自分のこと」等を書かせ子どもの理解に努める。
4 子どもを多面的に理解するための諸調査を実施する。
5 個を生かす指導に役立つように学級経営誌の個人記録欄を活用する。
6 いじめなど表面に出にくい問題点の把握に努める。
留 意 点
1−1 登校時におけるあいさつでもよい。できるだけ触れ合いの時間を多くするように心がける。
2−1 チャンス相違,呼出し用乱 定朋相議等の申から効果的なものを点んで行う。
2 学級日誌,班日誌,生活ノート等に常に目を通し,考えや悩み,喜びを知り援助・指導の資料にする。
3 援助,指導は機を失することなく,すぐその場で具体的に行う。
3−1 作文から知り得た秘密は絶対に漏らさないようにする。
4−1 生育歴調査,健康診断結果,スポーツテスト結果,生徒指導カード,道徳性検査,学力診断テストなどを活用する。
5−1 できるだけ具体的に記入しておくようにする。
6−1 そのための調査法を工夫する。信頼感をそこねたり不快感を与えないように留意する。