研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -049/162page

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(3)「確かめる」コース

 上記2コースの確認コースであり、まとめや知識の定着をはかるためのものである。各問題とも前問や他のコースと関連性、発展性があるため、パソコンに多く働きかけた児童ほど、容易に問題が解けるよう配盧してある。

 <作成・動作環境>

1.作成に使用したソフトウェア
  ・KITED…提示画面作成
  ・HED…エディタ
  ・GT4CTRL…スキャナ読み取り
  ・QOV98…フルカラー減色
  ・GHI…画像編集

 上記のソフトはすべてフリーソフトウェアでありパソコン通信より入手できる。

2.作成環境
・パソコン本体…PC98シリース“
・イメージスキャナー…FMSG-611G

3.動作環境
・PC98シリーズ及びFMTOWNS
・KITVer.6.21A(フリーソフトウェア)[PC用、FM用それぞれ別途必要]

4 使用例と留意点

 本教材は、シミュレーションの体験で学習活動が終了するのではなく、直接体験の前段階としての使用をねらいとして作成したものである。参考までに、導入として本教材を用いた場合の簡単な指導計画を例示する。

「探す」コースと野外観祭……1〜2時間
「つくる」コースと昆虫観祭……1時間
「確かめる」コースとまとめ・…・・0.5時間

 このように、この教材の中で生じた児童の疑問や関心、意欲を生かして次時の授業を構成する形が望ましい。

 しかし、導入時に限らず、児童の実態や教師の意図、パソコン台数によっては、まとめでの使用も考えられる。

 本教材で出てくる写真等の画像は、すべて図鑑などの写真であり、出版会社、撮影者等の了解を得て使用した。

「パソコンを用いた地球の動きと太陽の見え方のシミュレーション」

1 単元名「月と太陽」(第5学年)

2 教材のねらい

 この単元では太陽や月を観測し、天体の動きの規則性についての見方、考え方を養うとともに、天体の動きや位置関係を意欲をもって追究する態度を育てることがねらいである。

 そのため、太陽の観測は簡単な器具で児童に行わせているが、地球から見た太陽の見え方の理解をより深めるため、地球の動きと太陽の見え方をパソコンでシミュレートして調べる体験的な活動を取り入れた。その活動を児童に自主的・持続的に行わせることによって、学習意欲や直感力、論理的思考力を高め、創造性を高めることをねらいとした。

3 教材の概要

 天体の事象は宇宙空間からの観察はできないため、パソコンを利用して太陽の見え方を探究できるブログラムを開発・し、太陽の動きを空間的にイメージできるようにした。

 キーポードの左右の矢印キーで太陽の回転を自 由に操作できるので、どのように動かすか、児童自身が思考 し、判断し、創意工夫しながら表現して、自分が観測した太陽の動きを再現したり、地球の自転による太陽の見える方向の変化を簡単に調べたりできるようにした。

 ブログラムはBASIC言語で開発した。その概要と展開順序は下図の通りである。

(1)観測事項の確認と地球自転の想起

              ↓
(2)太陽の観測事項の再現
  ●日の出前の状態
  ●日中の見かけの太陽の動き

              ↓
(3)地球を中心とした太陽の動きの見え方

              ↓
(4)動かない太陽と地球自転による観測者の動き

              ↓
(5)地球自転で動く観測者からの太陽の見え方

              ↓
(6)見かけの太陽の動きと、地球自転で動く観測者からの太陽の見え方の比較
    

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