研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -051/162page
(6)「太陽の見かけの動きと地球の自転」 (第6画面)
太陽の見かけの動きと、地球自転によって移動する観測者からの太陽の見える方向をシミュレートし、比較する。
4 指導例
(1)日没後の太陽のゆくえなどの疑問から、地球が動いていることを想起させ、「パソコンで調べてみよう」と動機づける。
(2)パソコンの操作方法を知らせ、十分時間を取って、児童に自由に探究させる。
(3)理解を確認するため、次のことをさせる。
○日没後の太陽のゆくえや、1日の太陽の見かけの動きを発表さる。
○太陽や観測者の午前6時から午後6時までの動きを操作させる。
○第5画面の観測者から太陽に向かうう矢印の意味を問う。
○第6画面の2つの事象の違いを比較させ、説明させる。
5 指導上の留意点
(1)この教材は児童が自主的に探究することをねらいとしたものであるため、自ら操作して探究する時間を十分とるとよい。
(2)地球の公転・自転や天動説・地動説等の語意や詳しい説明は要らない。それらのシミュレーションを見てイメージできれぱよい。
(3)観測事実から西から東に動く太陽はないことを確認しておく必要がある。
「地下ボーリングモデル」 1 単元名「大地のつくり」(第6学年)
2 教材のねらい
ここでは土地をつくっている物の特徴や土地のでき方を調べることを通して、地層は地下では広くつながっていることを理解させることがねらいの一つとなっている。
地層のでき方の指導においては、露頭観察では地層の断面をとらえているに過ぎず、その広がりや分布の様子についてはなかなか観察しにくい。
そこで地下での地層の広がりを理解させるためにカラーサンドを用いた地下ボーリングモデルを考え、以下の点をねらいとして開発に取り組んだ。
○身近な大地のつくりについて関心・意欲を持ち、問題解決のための直感力を養う。
○地層を広がりをもってとらえさせることにより、柔軟な想像カや論理的な思考力を高める。
3 教材の概要
(1)特徴
この教材は、身近な材料を利用して、直接経験が困難な地層の広がりを直感的に理解させることができるものである。
学校建築の際の地下ポーリング資料などにより身近な地域の地下の様子がある程度理解できるが、断片的であり、その広がりの様子はわかりにくい。
このモデルを用いることにより、地下では地層が立体的に広がりをもって堆積していることが実感として把握できる。
さらに実際のポーリング資料と対比させることにより、身近な地域の地下の地層の様子や過去の環境を考察できる。
(2)作製法
1.砂れきをふるいにかけ、粒の大きさごとに3〜4種類に分ける。
2.それぞれをペンキなどで着色する。
3.ペンキが乾いたら、透明な水槽などの容器に単層ごとに入れ、地層モデルを作る。
4.上からストローなどを差し込み引き上げることによりボーリングのモデルができる。