研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -052/162page
(3)使用例
地層の観察終了後、その広がりを理解させるために、写真のような水槽などの透明容器に、粒の大きさごとに着色した砂・れきを層状に入れたものを用意する。初めは画用紙等で地下の部分をかくしておき、上から透明ストロー等を差し込んで引き上げると、色の違う粒が層状に詰まって出てくる。そこから地下の様子について考察させる。その後画用紙等を除けぱ、層状の断面(露頭)が現れ、児童は地層の断面を観察していたことが理解できる。
さらに数か所にストローを差し込み、ポーリング資料とし、それぞれの柱状図をつなぎ合わせることにより、地下での地層の広がり状況が推測できる。
4 使用上の留意点
用いる透明ストローの直径は、カラーサンドの粒径によって当然変わってくるが、あまり太すぎると砂が落ちてしまうし、細すぎても入らない。太いストローを用いる場合には、差し込む際、ストロー内にスブレーのりを吹きつけておくと砂がよくつく。またカラーサンドは、上の層に粒径の大きい粒を入れると差し込む際に詰まってしまい下の粒がすくえなくなる恐れがあるので工夫が必要である。アクリルパイブでも代用できるがガラス管では割れる恐れがあるので危険である。
ややリアル感には欠けるが、単層ごとの境目をはっきりさせたい場合には、カラーサンドの代わりに粘土や寒天を用いてもよい。
2 中学校技術・家庭科(1)授業で試行した教材
「BASIC言語学習支援ソフトウェア」 1 題材名「コンピュータの基本操作と情報の活用」(第3学年)
2 教材のねらい
「情報基礎」の指導の項目は、「コンビュータの仕組み」、「コンビュータの基本操作と簡単なプログラムの作成」、「コンピュータの利用」、「日常生活や産業の中で情報やコンピュータが果たしている役割と影響」となっている。その中の「コンピュータの基本操作と簡単なブログラムの作成」に関する指導事項の一つである「ブログラムの機能を知り、簡単なプログラムの作成ができること」においては、取り扱う言語は、わずかな命令語でもプログラムが組め、対話型であるBASIC言語が適切であると考える。プログラム言語の学習は、ややもすると教師の一斉指導による説明が多くなり、演習の場になると説明を理解していない生徒の質問が多くなる。
そこで、BAS1C言語によるプログラムの学習に関して、学習を支援するためのソフトウェアを開発し、プログラムの基本的な処理の手順と作成の仕方を体験的な活動によって身に付けさせたいと考えた。
本教材は、画面の構成、文字の配置・配色、ソフトウェアの操作等に関するブログラムを工夫し、生徒が関心をもって意欲的に取り組めるようにした。
3 教材の概要
BASIC言語によるプログラムの学習を支援するソフトウェアで、BASIC言語で作成した。
本教材は、体験的活動を重視する観点から、演習の場面を多く取り入れ、試行しながら学習が進められるようにした。
なお、授業では、教師がパソコンの画面の説明文を解説しながら進め、その後演習の画面によって生徒が自由に入力して試行し、説明を確認することができる。教材の構成は、計算に関するプログラムと図形処理に関するプログラムから成り、