研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -058/162page
特に、学習に楽しく取り組み、次時への意欲も旺盛であることが確認できた。応用ソフトウェアであるために操作性や画面の構成がよく、各自が決めた調査項目でデータを処理したという点が生徒の意欲を喚起したものと思われる。
以上のことから、本教材は、関心をもって意欲的に取り組むためには効果的であると考える。
なお、今回データベースソフトウェアでは、表計算ソフトウェアでのグラフ化を考慮し数値データのみを取り扱ったが、文字データをデータベースソフトウェアでどのように取り扱ったらよいかが今後の課題として残った。
次は、事後検討会での授業観察者の感想である。
・統合型ソフトウエアの利用により、一つのソフトウェアの流れの中で学習でき、情報活用能力育成のために貴重な体験をした。
・生徒自身が取り組みやすい題材設定であった。
・学習がスムーズに進んでいた。
・生徒が自ら操作法を調べ、報告書作りをしていく授業形態であれぱ、さらによかった。7 指導上の留意点
本教材を小題材として取り扱う際の留意点としては、次のようなことが挙げられる。
・本教材は、二人一組で学習に取り組む設定であるが、個人差に配慮できれぱ一人ずつでも学習は可能である。
・ソフトウェアの操作に関しては、教師の説明だけでは足りない部分が出てくるので学習の流れに沿ったテキストを準備する必要がある。
・アンケートの調査項目の設定については、後の学習への意欲等を考慮して文言等の制約を抑え、生徒の考えを反映させたい。
・アンケートの回答者数はできるだけ多くし、合計や平均の計算が暗算ではできない値の方がコンビュータで処理している実感を味わわせることができると考える。
・本教材の最終的なねらいは、「情報の処理、表現」であり、応用ソフトウェアの機能の理解と併せて、実践的・体験的な活動を通して、このねらいを達成させたい。
「栄養バランス君」 1 題材名「食事づくり」(第1学年)
2 教材のねらい
本題材のねらいは、家族のために簡単な食事づくりができるようにすることである。
食事づくりの仕事には、1.献立作成2.調理計画3.材料購入4.調理及び後片付けといった基本の流れがある。1、2は、目的に応じた食事づくりの条件を満たす献立を想定し、調理の段取りを組み立てていく。この作業は生活体験の少ない生徒にとっては概念的で実感としてとらえにくいものであり、これら学習を支援する教材の工夫が必要となる。
そこで、食事づくりの導入となる献立作成において、食品カードや模型を使って献立を実際に検討できれぱ、それらの活動を通して課題意識も高まり、食事づくりに意欲的に取り組めるものと考えた。
ここでは、食事づくりの計画に体験的な活動を取り入れることで関心・意欲を高めるとともに、問題点の認識や問題解決のための直感カを養うことをねらいとし、教材の開発に当たった。
3 教材の概要
本教材は、人形の頭と胴体部分(模型)及び食品カードから構成される。胴体部分には栄養素の主な働きと6つの基礎食品群(小学校での既習内容)を配置し、食品と栄養の関係が一目で分かるようにした。食品カードをこの胴体部分にぷらさげることで、人形の傾き加減から栄養的にバランスのとれた献立かどうかを視覚的にとらえることができる。
この教材の特徴は、食品の組み合せによる栄養のバランス状態が即座に見れること、身近な材料で簡単に作れること、また、領域を問わず食物学習及び栄養指導などにも活用できることなどである。
(1)作製法
材料.進備物は次のとおりである。
【一組分として】
スチレンポード80x50cm、厚紙、ひも、のり、カ一ドリング、絵の具、パンチ、カッター