研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -060/162page

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ねあいで試行錯誤を重ねていた。一方、I子(中位)は、模型のバランスを取ることに関心を示し、食品を新たに加えることで短時間に献立を修正した。A男(下位)は、模型が示された時、関心は示したが理解が十分でなく、仲間との作業を通して解決の見通しができたようである。下表は抽出児の自己評価と教材への感想である。

抽出児 自己評価 教材を使用した授業の感想(一部抜粋)
S男
(上位)
栄養のバランスはとても大切だと思った。
O子
(上位)
とても便利でわかりやすいし、どこがかたよっているのかもわかってよかった。
I子
(中位)
楽しくてわかりやすい模型だったので私にもすぐできたし、プリントにも早くまとめられた。
Y男
(中位)
いろいろな形のバランスのとり方がある。
A男
(下位)
こんなのでわかるのかよと思ったけれどやってくにつれてなランスがなきゃだめだと思った。

ア.ヒントを得た イ.修正できた ウ.意欲的に取り組んだ (5段階評価)

教材へのイメージ調査から
「栄養バランス君」には、どんなイメージを持ちましたか。
イメージ調査から

 本教材についてのイメージ調査からは、「やさしい」「見やすい」「助けてくれた」「わかりやすい」「役に立ちそうな」の評価性因子が高く、教材がおおむね受け入れられたものと思われる。

(3)自己評価から

 生徒の自己評価の結果は次のとおりである。

生徒の自己評価の結果

 「本教材からヒントを得た」「献立を修正することができた」は、肯定的な評価が80%以上で、あり、大半の生徒はこの教材から解決のヒントを得て献立を修正できたものと思われる。  また、「意欲的に取り組んだ」は、肯定的な評価が79%、否定的な評価はなかったことから、おおむね本時のねらいは達成できたものと考える。

6 教材の評価

 前述の結果から、開発の1つの視点である関心・意欲面からは有効であったと考える。

 一方、問題点の認識や解決のための直感力の面では、問題点がすぐ分かるので生徒へのインパクトが強く効果的である反面、安易にバランスをとる(食品を加える)ことで解決を図ろうとする傾向も見られたことから、教材の活用の仕方に工夫の余地を感じた。

7 使用上の留意点と改良点

 この教材は、食品の組み合わせと栄養の関係が簡単に分かるように単純化したものであり、食品の分量による比較はできない。その点を生徒に認識させた上で使用する。また、家庭生活領域においては、家族の生活を考えた食事づくりをねらいとしているので、能率、経済性なども考慮しながら本教材を活用したい。

 改良点としては、食品カードを参考にしながら献立の修正をしていた生徒が多かったので、さらにカードの墓にその食品の特徴や調理例、出回る時期などを載せて充実させ、献立をたてる際の資料としても使えるようにした。

 課題としては、栄養のバランスを立体的に比較検討できるような形を考え、食物領域での栄養及び献立の指導に発展させていきたい。

<食品カード:表面>
<食品カード:表面>

く食品カード:裏面>
く食品カード:裏面>


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