平成6年度 研究紀要 Vol.24 -000-01/156page

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ま  え  が  き

 学習指導要領に基づき,基礎基本の定着と個性を生かす新しい学力観に立った教育や,社会の変化に対応して自らの生き方を考え,主体的に進路の選沢ができるような進路指導の推進,望ましい人間形成をめざす学校週5日制の実施など,新しい教育観の実現にむけた学校教育の質的転換が求められています。

 また,近年の急激な都市化の進行や出生率の低下による少子化等の影響は,児童生徒の健やかな成長を阻害する要因を生じさせ,学校生活への不適応による不登校や高等学校での中途退学に関する問題,及びいじめ,性非行など,憂慮すべき生徒指導上の問題行動が増加する傾向にあります。一方,本県の緊急課題である学力向上など,解決しなければならない教育課題も山積しております。

 本教育センターにおいては,このような本県の学校教育の現状や課題を考慮するとともに,社会の要望や期待に応え,教育研究・研修機関として課せられている役割を踏まえながら,本県教育の充実と発展に資するため,プロジェクト研究や部研究等に取り組んでまいりました。

 「学力向上調査研究プロジヱクト」は,「福島県における[学力向上]に関する考察−センター試験結果分析と福島県の中学生の学習に対する意識と行動−」の主題のもとに,様々な観点から調査分析を行い,児童生徒の学力の現状と問題点にっいて幅広い視点から把握して,学力向上に向けて基礎資料を得ようとするものです。

 「教育相談調査研究プロジェクト」は,「学校不適応児童生徒への援助の在り方」を主題に,第一年次の調査研究を踏まえ,学校適応指導に関する適切な指導援助の在り方を具体的な援助試案として作成し,実証的に研究してきたものです。

 「環境教育委員会」と「国際理解教育委員会」は,今日的な推進課題である環境教育や国際理解教育を各学校が適切にすすめられるよう,それらに関する意識の高揚や教育実践にかかわる内容・方法等にっいて,実践的な研究によってその方策をまとめたものです。

 また,個人研究にっいては,所員の研修業務とのかかわりを具体的に深めながら,学習指導の改善や新しい授業観を考慮した教材開発,コンピュータを活用した授業の工夫などについて,研究協力校と連携を深めた実証的な研究となるよう心がけて進めました。今後,本紀要が,各学校での校内研修や教育研究を推進するための資料として活用されることを願いたいと思います。

 おわりに,本教育センターの調査研究に際し,ご尽力を賜りました研究協力校や研究協力員の皆様,並びに関係諸機関の方々に対しまして、衷心より感謝を申し上げる次第です。

平成7年3月

福島県教育センター所長 永 山 三 郎


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