研究紀要第97号 「福島県における「学力向上」に関する考察」 -006/156page
III 福島県の中学生の学習に対する意識と行動
−県北地区に関する調査から−
この調査は,中学校段階での学習上の課題に関して,次の4項目について調査したものである。
・ 学習一般
・ 国語
・ 数学
・ 英語
調査対象は,県北地区中学校1〜3年生,543人(サンプリング数の信頼度92.5%)であり,平成6年7月に実施した。なお,調査項目は学年別に詳細にわたるため,ここでは主たるものについてのみ述べたい。全体については,当センター発行の報告書「福島県の中学生の学習に対する意識と行動」を参考にしていただきたい。
1 学習一般について
1 生活の基礎
(1) 起床・就寝・睡眠
起床時刻については,6:30分前後に集中しており,学年が上がるにつれて起きるのが遅くなっている。就寝時刻についても午後11:00前後に集中しており,学年が上がるにつれて夜更かしになっている。
睡眠時間は,表のとおりであり,学年が上がるにつれて短くなり,3年生は7時間を切る。
これは,日本学校保健会による全国調査 1) と比べて,就寝時刻はほぼ一致するが,起床時刻はやや早く,睡眠時間もやや短めである 2) 。
(2) 学習塾・家庭教師及び習いごと
学習塾に通う生徒は,30〜41%の間であり,平均して35.3%である。これは,文部省調査 3) の全国の中学生平均59.5%に比べてかなり低い。
一方,家庭教師については,3.7%であり,全国平均の4.8%より,若干低い。習いごとについても,21.3%で,全国の中学生平均28.3%よりわずかではあるが低くなっている。
(3) 両親の自分の学習への関心・相談など
両親が,自分の学習にどの程度関心を持っているかについては,1,3年生の70%強が「関心あり」と意識している。しかし,2年生については,「関心が乏しい」とする者が,37%に上った。また勉強の相談については,学年が上がるごとに,放任的になり,3年生の両親の46%は,「相談にのってくれない」と子どもによって意識されている。
2 学習に対する意識
(1) 興味のある教科・ない教科
教科に対する興味関心について,ある・なしの上位5つを順に書かせ,点数化した。