研究紀要第98号 「環境教育講座の在り方を求めて」 -026/156page

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から1っを研修者が興味・関心に応じて選択して研修する選択研修とし,カからクは午後の前半に,ケからサは後半に実施した。研修形態は,小・中・高の校種間の連携や交流を図る目的から校種共通の研修とした。

3) 室内研修(講義,実習,演習,実験など)

 講義,実習,演習,実験などの形態で実施した。研修の効果を高めるため,37名の研修者を2班に分け,小・中・高の校種の先生方が一緒に研修する班別・校種共通の必修研修とした。

 また,家庭科と理科が連携して開発した教材は,講座での研修のみにとどまらず,すべての校種の教材として使用できるように改善することとし,T・T 方式の在り方を含めて検討し,家庭科と理科担当の所員が共同で指導に当たった。

 室内研修教材
研修教材名 備考
先進校での環境教育への取り組み
(県外の先進校の紹介を中心として)
講義
実験
エコ・クッキングを体験してみよう
−台所から環境を考える−
実習
(測定)
化石燃料による CO 2 排出と
自然エネルギーの利用
実験
製作
地球の未来を考える 演習

4) 協議

 環境教育の指導を通して身に付けたい態度の一っに「他人の信念,意見に対する寛容」がある。環境教育は,その問題のとらえ方,因果関係,環境への行動様式などにおいて多様な考え方や処理の仕方が考えられるので,他人の意見や考え方に対しても,心を広くして聞く寛容さを持っとともに,事実に基づいて主体的,客観的な判断をすることが大切である。

 また,お互いに環境教育に対しての意見を発表し合うことは,環境教育に対する考えが練り上げられ,深まる効果が期待できる。そこで,各学校の研修者が持参した資料を基に「環境教育の実践の現状と実践する上での問題点」という主題で,小学校班と中・高班に分かれて意見交換を行い,今後の進め方について方向性を探った。

各校種の学校での主な実践上の問題点

ア 小学校

・ 教育課程への位置付けの方法
・ 実践のためのマニュアルの作成
・ 環境教育のとらえ方,視点の置き方
・ 環境教育に対する教職員の認識の低さ
・ 教材の開発
・ 環境教育のための時間の確保
・ 地域杜会との連携
・ 野外活動の時間の確保

イ 中学校

・ 学校全体での取り組み
・ 教科等間の連携
・ クロスカリキュラムの編成の困難さ
・ 予算の確保
・ 教育活動全体のカリキュラムヘの位置付け
・ 専門的な知識や技能の習得
・ 教職員や生徒の意識の低さ
・ 教職員の力量不足
・ 野外活動の時間の確保

ウ 高等学校

・ 学校全体での取り組み
・ 野外活動の時間の確保
・ 実践のためのマニュアルの作成
・ 予算の確保
・ 小・中学校との連携
・ 地域社会,家庭との連携
・ 教職員や生徒の意識の低さ
・ 学外施設の活用
・ 教科等間の連携
・ 行動・実践できる生徒の育成


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