研究紀要第98号 「環境教育講座の在り方を求めて」 -048/156page
イ Q=0.24cal/w・秒x60wx5分x60秒X40%(火力発電によるエネルギー変換率)で求められる電熱器の発熱量から電熱器における電気エネルギーの熱効率を求める。
3) 電子レンジ(100V-1200W)
ビーカーに250cm 2 の水を取り,電子レンジで1分間加熱する。水の温度上昇から得た熱量と,Q=0.24ca1/w・秒x1200w×1分×60秒×40%(火力発電によるエネルギー変換率で求められる電子レンジの発熱量カ)ら電子レンジにおける電気エネルギーの熱効率を求める。
(2) 簡易太陽熱コンロの製作
1) 材料… 段ボールの空き箱,発泡スチロールの詰め物,家庭用アルミホイル,ガラス板またはラップフィルム
2) 用具… はさみまたはカッター,発泡スチロールカッター,定規,のり,クラフトテープ等
3) 作り方… 下図のように製作する。
a 外箱と内箱の形と大きさを決め,段ボールの空き箱を加工して外箱を作る。
b 外箱の中に内箱を入れ,すき間(底の部分にもすき間をとる)の間隔,形,大きさを調べる。
c 必要な厚さ,形,大きさの発泡スチロール材を切り取る。
d 外箱の内側に発泡スチロール材を敷き詰めてから内箱を入れる。このとき,空間ができたら発泡スチロールをきざんで詰める。
4) 留意事項
A 設計上のポイント
・ 太陽光を集める工夫
・ 熱を逃がさない工夫
B 段ボールにアルミホイルをはったものを,反射板として周囲に取り付けると効果がある。
C 使用するときは,加熱したい物を内箱の中に入れ,ガラスまたはラップフィルムでふたをしてから太陽の方に向ける。
3 成 果
短時間の熱効率測定実験から,家庭用加熱器は熱効率が非常に低いことが分かった。また,電気エネルギーを利用した加熱器は,発電所での変換率も考えると,さらに低くなってしまうことが分かった。
また,小学校の児童も作れる,簡単で,身近な素材を用いた簡易太陽熱コンロでも,晴天ならば50度C位まで温度を上昇させることができるということが分かった。
これらの実験・製作から研修者は,環境教育に関する興味・関心を高め,体験を通した指導法を習得できた。
4 反省点
実験・製作時間が1.5時間と短かったため,作った簡易太陽熱コンロを用いて物を温める実験は,できなかった。