平成7年度 研究紀要 Vol.25 -000-01/170page

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まえがき

 今,学校教育には,未るべき21世紀の社会の中でたくましく生き抜くために「主体的に判断し,多様な問題に柔軟に対応し解決できる能力を身につけた人間の育成」が,強く求められています。
 こうした中で,本教育センターにおいては,教育研究・研修機関として課せられている役割を踏まえながら,教育研究事業,教育関係職員研修事業,教育相談事業,教育図書・資料事業等の各事業を通して,時代や社会の要請に応えるべく,各種の教育課題解決に向けてプロジェクト研究や部研究及び個人研究に取り組んで参りました。
 「学力診断テスト研究開発プロジェクト」は,新しい学力観に基づく新しい評価の在り方に着目し,県内小・中学校児童生徒の学力の実態把握と,新しい学力観に立った学習指導の充実に資することを目的とし,2か年にわたり取り組んだテスト開発研究をまとめたものです。
 「学力向上調査研究ブロジェクト」は,昨年度に行った「中学生の学習に対する意識と行動」の調査研究に引き続き,今年度は「小学生の学習に対する意識と行動」を,学習指導一般,国語,算数の3つの観点から調査分析を行い,小学生の学習に対する現状と課題を究明し,福島県の児童生徒の学力向上を目指す学習指導の改善を図る上での基礎資料を得ようとするものです。
 「教育相談ブロジェクト」は,前年度までの研究で明らかになった不適応状態にある児童生徒への援助の方向性を踏まえ,「児童生徒の学校適応への指導援助の在り方に関する研究」を主題に,「個と環境の調整」という視点から全ての児童生徒を村象に,集団・対人への適応力を高めるための援助の在り方を実証的に調査研究してきたものです。
 また,個人研究については,所員の研修業務とのかかわりを具体的に深めながら,学習指導の改善や新しい授業観を考慮した教材開発,コンピュ一タを活用した授業の工夫などについて,研究協力枚と連携を深めた実証的な研究となるよう心がけて進めました.今後本紀要が,各学校での校内研修や教育研究を推進するための資料として活用されることを願いたいと思います。
 おわりに,本教育センターの調査研究に際し,ご尽力を賜りました研究協力校や研究脇力員の皆様,並びに関係諸機関の方々に対しまして,衷心より感謝を申し上げる次第です。

平成8年3月
福島県教育センター所長  永山三郎


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