研究紀要第102号 「福島県の小学生の学習に対する意識と行動」 -027/170page

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福島県の小学生の学習に対する意識と行動
一県北地区の調査から一

研究の要旨
 本研究は,平成5年から取り組んでいる「学力向上」に関する一連の研究の一つである。今年度は,昨年度に行った「中学生の学習に対する意識と行動」の調査研究に引き続き,「小学生の学習に対する意識と行動」を「学習一般」「国語」「算数一の3つの観点から調査し,分析と考察を加えた。これは,小学生の学習に対する現状と課題を明らかにし,福島県の児童生徒の「学力向上」を目指す学習指導の改善を図る上での基礎資料を得るために実施したものである。
 「学習一般」では,好き(嫌い)な教科,授業中の態度,家庭学習の様子,通塾率,家族とのかかわりなどを,「国語」「算数」については,教科に対するイメージ,好き嫌いとその学習内容,時期,理由,授業中の意識や行動などを調査した。
 その結果,小学校中・高学年での学習の重要性や質問することに消極的な児童の姿などの問題点が明らかになった。

I 研究の趣旨
  1 はじめに
 現在,本県においては,「学力向上」が大きな教育課題の一つとなっている。この学力向上に対する取り組みは,学習指導の改善を図ることにより,児童生徒のよつ良き自己実現を援助しようとする試みである。
 当センターでは,平成5年10月に「学力向上調査研究プロジェクト」を発足させ,同6年3月まで,本県の学力を様々な角度から具体的に分析してきた、それらは,「福島県における高校生の学力について一各種テスト結果の分析一」「学力向上『目標値シミュレーション』」「平成7年センター試験結果分析」「よりよく生きるための学力を求めて」「福島県の中学生の学習に対する意識と行動」(以下,「中学生に対する調査」と略記する)として公表してきた。
 これらはいずれも,「学力向上」の課題を解決するための基礎資料として作成したものである。
 また,今年度は,小学校5年生と中学校2年生を対象に,全県規模で学力の到達度を測る「学力到達度調査事業」を実施し,本年3月に報告書をまとめ刊行した。
 さらに,「中学生に対する調査」に引き続き,今年度は,本県の小学生の学習に対する意識と行動を明らかにするために,県北地区の小学4〜6年生を対象として,「学習一般」「国語」「算数」の教科などに関するアンケート調査を実施した。
 本論においては,このアンケート調査の結果について分析と考察を加え,昨年度の調査と併せて,今後の学習指導の改善を図る上での基礎資料として提供するものである。

  2 研究計画
4月 先行アンケート調査研究
5月 アンケート案作成
6月 アンケート案完成,実施校選定
7月 アンケート実施・回収
8月 処理プログラム準備
9月 アンケート処理
10月 アンケート分析
 「所報ふくしま」掲載原稿作成
11月 「所報ふくしま」に中間報告を掲載
 ("児童が学ぽうとするとき")
12月〜1月 アンケート分析
2月〜3月 センター「紀要」掲載原稿作成


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