研究紀要第103号 「児童生徒の学校適応への指導援助の在り方に関する研究」 -067/170page

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(資料7)高等学校「アサーション入門」の指導援助案

タイトル アサーション入門
概要 自分の好みや価値についての選択を行動で表したり,級友の好みや価値を聞くことを通して,お互いの考えを大切にしながら素直にコミュニケーションをしあう。
ねらい ◎自分の好みや価値について,選択した意昧,自分の感情,自己概念をより深く理解する。
◎級友の考えを肯定的に受けとめる。
◎自分と違う考えを尊重する態度を養う。
準備等 「アサーション入門」記入用紙,振リ返り用紙,クレヨン
教室の4隅にアイウエの力一ドを張る。
時間
  ○導入の説明をする。(本時の概要・ねらい) 5分
  ○ウォーミングアップをする。(後ろに倒れる,肩に手を置く,ミラーリング,肩たたき,ジャンケン等)
[プリント(用紙)を配布する。]
5分
  1.「今日は『アサーション入門』という演習を行います。アサーションとは自己主張という意味です。これからいくつか質問をします。質問には4つの選択肢があリますから,自分なリに考え,好ましいと思うもの一つを選んで用紙に記入して下さい。記入したら,アイウエの選んだ場所に移動してもらいます。後で何人かに指名しますから,その理由を説明して下さい。」 1.〜5.
5分
  2.「では一つ例題をやってみます。『何色が好きですか。』選択肢は,ア.赤,イ.青,ウ.緑,工.黄の4つです。まず用紙に記人してみて下さい。
 ※用紙に記入してから移動させる。
 
手順 3.「さあ,アイウエの選んだ場所に移動して下さい。」
4.「では,何人かの人に理由を聞いてみたいと思います。」
「どうしてここを選んだのですか」
 ※自分の考えを自由に発言できる雰囲気作りが重要である。
5.「今,何人かの人に理由を聞きましたが,これは正しい答があるわけではあリません。ある事柄に対する感じ方・考え方・受けとめ方などは人様々であっていいし,独自性があるのは当然です。その意昧でこの演習は,級友の個性を認めあうことがその目的の一つです。お互いの考え方を十分尊重するとともに,選択する中で,自分なリの考え方,級友の考え方などを発見していきましょう。」
 
  6.「では第1問です。どの季節が一番好きですか。」
 ※以下,何問か一つずつ質問し,用紙に記入し,移動,発表を繰り返す。
 ※少人数の生徒達への質問は,傷つかないよう配慮する。
 ※自分の選択した理由をうまく説明できない生徒には,イメージを具体化させる手助けも必要である。
 ※教師も,時々自分の考えをオープンにするとよい。
 ※「誰かに聞いてみたいことはありませんか。」,また,移動前に「○○君は,どこへいきそうですか。」等,聞くと盛り上がる。

「アサーション入門」

20分
手順 7.「今度は,それぞれのグループごと円形に,集まって下さい。今まで自分が記入した用紙を首にかけ,自分の選択の結果をグループ全員に自由に見せ合って下さい。
いろいろな選択をした人がいることを確かめて下さい。同じ選択をした人でも理由は様々です。他の人の選択意見にも耳を傾け自由に話し合ってみて下さい。後で,グループの代表に話い合いの結果を発表してもらうことにします。」
 ※次のようにすれば,話し合いが進みやすい。
 (1)選択の結果が同じになったもの同上を見つけ,理由を述べ合わせる。
 (2)最後の質問の選択理由を述べ合わせる。
 (3)特に盛り上がった質問の選択理由を述べ合わせる。
 ※発表者については,抽出生徒を念頭におきながら,話し合いの様子などを踏まえて指名する。
 ※結論を出すことが目的ではないので,自由に活発な話し合いが行われるように配慮する。
8.「グループの代表の人に発表してもらいたいと思います。」
 ※適宜,担任のコメントを加え,理解が深まるようにする。
7.〜8.
10分
  9.「いろいろな選択の理由がありましたが,先生としても新たな発見や考えさせられることがたくさんありました。最後に振り返り用紙を配布しますから,今日の感想をまとめて下さい。」
〔振り返り用紙を配布し記人させる。]
5分


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