研究の要旨
近年における出生率の低下による少子化や都市化の進行に伴う核家族化等の児童生徒の環境は,健やかな成長を阻害する要因を生じさせており,学校生活への不適応による児童生徒の不登校等,憂慮すべき問題行動を生んでいる。
このような現状から県教育委員会では,学校生活に遭応できない児童生徒の問題の早期解決を図るべく「学校遭応サポートプラン」を策定し,諸事業を推進してきた。この事業の一環として,県教育センターに,平成5年度より平成7年度までの3年問つ遭応指導教室を開設し,不登校児童生徒を対象に,「集団生活への適応指導の在り方」を探る実践的研究を進めた。
本研究では,不登校児童生徒の不安や脳みを軽減するとともに,対人関係の改善を図り,集団への適応力を高め,原籍校への再登校をめざした指導援助の在り方を探るため,@個別による指導援助の在り方,A集団活動を通した指導援助の在り方,B家庭及び学校との連携の在り方の研究に取り組んだ。不登校児童生徒に対するこれらの取り組みの結果,
○ 受容的なカウンセリングを中心とする個別による指導援助は,情緒の安定と内面の成長を図った
○ 対人関係づくりや協調性,社会性高める集団活動を通した指導援助は,集団生活への適応を図ることができた
○ 児童生徒のよさに焦点を当てて行った家庭及び学校との連携は,再登校を促進した
等の効果がみられ,不登校状態の改善に大変有効であることが明らかになった。
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