研究紀要第104号 「児童生徒の学校適応への指導援助の在り方に関する研究 第1年次」 -077/170page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

適応指導教室における指導援助の在り方に関する研究

研究の要旨
 近年における出生率の低下による少子化や都市化の進行に伴う核家族化等の児童生徒の環境は,健やかな成長を阻害する要因を生じさせており,学校生活への不適応による児童生徒の不登校等,憂慮すべき問題行動を生んでいる。
 このような現状から県教育委員会では,学校生活に遭応できない児童生徒の問題の早期解決を図るべく「学校遭応サポートプラン」を策定し,諸事業を推進してきた。この事業の一環として,県教育センターに,平成5年度より平成7年度までの3年問つ遭応指導教室を開設し,不登校児童生徒を対象に,「集団生活への適応指導の在り方」を探る実践的研究を進めた。
 本研究では,不登校児童生徒の不安や脳みを軽減するとともに,対人関係の改善を図り,集団への適応力を高め,原籍校への再登校をめざした指導援助の在り方を探るため,@個別による指導援助の在り方,A集団活動を通した指導援助の在り方,B家庭及び学校との連携の在り方の研究に取り組んだ。不登校児童生徒に対するこれらの取り組みの結果,
○ 受容的なカウンセリングを中心とする個別による指導援助は,情緒の安定と内面の成長を図った
○ 対人関係づくりや協調性,社会性高める集団活動を通した指導援助は,集団生活への適応を図ることができた
○ 児童生徒のよさに焦点を当てて行った家庭及び学校との連携は,再登校を促進した
等の効果がみられ,不登校状態の改善に大変有効であることが明らかになった。

I 研究計画


 1 研究の目的
 不登校児童生徒の心を受容的に受け止め,不安や悩みを軽減するとともに対人関係の改善を図り,集団生活への適応力を高め,原籍校への再登校をめざした個別による指導援助の在り方,集団活動を通した指導援助の在り方,家庭及び学校との連携の在り方について探る。

2 研究の組織
 適応指導教室における指導援助の在り方に関する研究については,次のような組織で進める。
(1) 推進委員長
 県教育センター・教育相談部長が当たる。
(2) 推進委員会
 推進委員会は,教育相談部長,相談研究係長,教育相談係長,専任担当員で構成し,適応指導教室の活動計画を立案し,指導援助の在り方について研究協議する。
(3) 適応指導教室
 専任担当員は,教育相談部員が当たり,直接,児童生徒への指導援助を行う。

(4)組織図
(4)組織図


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。