平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究6 -153/170page
から調理したものをバイキング形式で試食させることで「ゆでる」という調理法への興味・関心を高めることができた。
3.第3・4時(じゃがいものゆで方の調理実験)
また,選び方について話し合わせてみると,生活経験や見た目から,芽の出ていないじゃがいもがよいという意見が出された。教師からは,芽には体に害のあるソラニンが含まれているので取り除いて使用することを説明した。栄養については,炭水化物の他にビタミンCも多く含まれ,調理しても減りにくいことを資料からとらえることができた。
2.第2時(じゃがいものゆで方の調理実験計画)
固さの違う2種類の粉ふきいもを試食したことで,調理法の違いに目を向けることができた。片方に固い部分が残った理由として「水が少なかった」「ゆでる時問が短かった」などが出され,それらを実験で確かめることにした。話し合いの結果,調べることはじゃがいもの大きさ,加熱時間,水の量,火力の4つとし,各自が調べてみたいことを1つ決め,それ以外は同一条件として計画を立てた。〈図5〉
前時に立てた計画に基づき実験に取り組んだ。大きさについては,1/2,1/4,1/8,1/16,スライスの5つで実験したので,大きいと生の部分が残り,小さいと形が崩れるなど,大きさとゆで方の関係をとらえることができた。
水の量については,じゃがいもがかぷる位,少ないもの,多すぎるもので比較した。少ないものは水から出そいた部分が生であったこと,多いものは沸騰までの時間がかかることなどから,じゃがいもがかぷる位がよいことをとらえることができた。
加熱時間については,沸騰直後から1〜3分間隔で調べたので「何分でどうなるか」に強い関心を持ちながら取り組み,加熱時間とゆで方の関係をとらえることができた。
火力については,沸騰後の加熱時間を同じにしたが,沸騰に要する時問が違うため,強火の方には生の部分が残り,弱火の方は中まで柔らかくなった。そのため,児童による話し合いだけでは,よりよい火力をとらえることが難しかった。
4.第5時(魚や肉の加工品の選び方)
見た目の違いに気付かせたいと考え3種類のハム(A:合成着色料,発色剤添加,B:発色剤添加,C:無添加)を用意し比較させた。品質表示を調べることで,どんな食品添加物が含まれているのかが分かり,品質表示を見て選ぷことの大切さをとらえることができた。
その後,栄養士さんから,加工品には塩分が多いので味付けを工夫していること,発色剤はお湯に溶け出すのでゆでてから調理していることなどを聞いて,利用の仕方についてもまとめることができた。
5.第6時(調理計画)
計画を立てる際には調理目的に合ったじゃがいもの切り方とゆで方を工夫させたいと考え,計画書も児童の工夫の様子がとらえられるものにした。調理実験の結果を生かして,切り方やゆで方,ゆで具合の確かめ方を工夫することができた。
6.第7・8時(調理実習)
じゃがいものゆで具合を竹ぐしで確かめながら,調理に取り組む姿が見られた。中には「油いためを一度家で作ってみたが,ゆでてからいためると歯ざわりが悪くなるので,生のまま薄く切っていためたい」と,よりよい調理法を工夫する姿も見られた。
バイキング形式で先生や友達に試食してもらうため,材料や味付け,見た目の色どりなども工夫していた。
試食には校長先生はじめ多くの先生方が来てくださった。試食の際には一口感想メモを書いて交換することにしたので,友達の料理の工夫点に気付くとともに,自分の料理の工夫点をほめてもらったり,