平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究6 -155/170page

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でる」と書かれており,調理目的に合った切り方とゆで加減をとらえていることが分かる。
イ学習後のアンケート調査から
調理実験を導入したことは,ほとんどの児童がよかった〈グラフ6〉と答えている。理由としては「じゃがいものゆで方が分かって実習に役立った」「調理に合う切り方やゆで方が分かった」などが多く,実験結果を生かして調理に取り組んだ様子が分かる。

〈グラフ6〉調理実験の導入について
〈グラフ6〉調理実験の導入について

(2)学習後の児童の実践から
@次題材への発展「緑黄色野菜の調理」

食品の栄養的特性を調べる調理実験を導入したことにより,児童の栄養に関する興味・関心が高まった。そのため,次題材「おやつの工夫」の学習では栄養を考えたおやつを作りたいという児童が多く見られた。特につ前題材で学習した力ロチンの印象が強かったようで,クレープの生クリームににんじんを加える班やかぽちゃ入り蒸しバンなど,カロチンを意識して調理に取り組んだ。
さらに,家の人にも食べてもらいたいという児童の希望から,授業参観でおやつを作り家の人にごちそうするという活動にまで発展した。
 2.家庭での実践意欲「調理の工夫」
 ア 試食の様子と調理実習の感想から
 単に作って食べるだけでなく,他の人に喜んでもらう体験をさせたいと考え,バイキング形式による試食会を計画し,招待状を作成した。招待状には,オリジナル料理にふさわしい料理名や味付け,調理法の工夫点などを記入した。

〈先生方への招待状〉
〈先生方への招待状〉

実習後の感想をみると,計画通りに作れてよかったという児童が多く,成就感を味わうことができたようである。
<グラフ7参照>

〈図9 感想メモ〉
〈図9 感想メモ〉

〈図10 調理実習後の感想〉
〈図10 調理実習後の感想〉

 ごぼう入りのじゃがいもの油いためを作ったM男は,自分ではごぽうとじゃがいもという組み合わせは失敗したと思っていた。しかし,先生や友達からごぽうを入れたことをほめられ〈図9〉,感想にも「おいしいと人気があってよかった」と書いてあり〈図10〉満足感を味わうことができたようである。他の児童の感想にも「ほめられてうれしかった。家でも作りたい」という記述が多く,ほとんどの児童が満足感を得ることができたようである。〈グラフ8〉

〈グラフ7〉調理実習の感想
〈グラフ7〉調理実習の感想

〈グラフ8〉バイキングの感想
〈グラフ8〉バイキングの感想

 イ 家庭での実践の様子
 本題材の学習終了後1週間の間に,家庭でじゃがいも料理を作った児童は29人中9人であった。その後,冬休み中に作った児童は21人<グラフ9> ,皮むきの手伝いをした児童は4人と,多くの児童が家庭で実践したことが分かる。また,家庭での実践の様

〈グラフ9〉家庭での実践
〈グラフ9〉家庭での実践


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