平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究7 -162/170page
(4) 指導の概要
2.MSTBに見る運動能力の実態
1.オリエンテーションとMSTBの実施
単元の初めにムーブメント学習についてのオリエンテーションを行った。全部で7種目ある中から,一人が3種目の遊びをイ了うことを視知らせる。その3種目の決め方は,自分の希望の種目を2種目選び残りの1種目はこれから行うテストの結果をもとに,先生が指示することを話した。その後のMSTBでは,初めて行ったこともあってか,多少戸惑いを見せていたが,どの子も真剣にテストに取り組んだ。
このテストにおける本学級の実態は以下の通りである。(※満点を100%とする)
このMSTBは,種目によって満点の点数が異なる。そのため,各種目間での得点を単純に比較できないこともあり,満点を百パーセントとした得点率の割合で表わした。この結果によると,起き上がり,歩行板,椅子を使った腕立て伏せの検査で比較的得点率が低いことがわかる。
3.苦手な運動属性
このテストにおいて,一人一人の苦手としている運動属性は,次のような結果となった。 腹筋,動的バランス,腕の筋力の3つの属性で苦手な子が多い。ムーブメント教育を行うためには,このような学級の傾向を踏まえて,しかも,子ども一人一人の実態に応じたムーブメントプログラムを組んでいく必要がある。
4.ムーブメントの指定
一人3種目行うこととし,2種目は選ばせた。子どもが選んだ2種目はつ自分が得意とする運動属性のムーブメントが多く,苦手とする運動属性のムーブメントを選んだ子は4名だけであった。 そこで,MSTBで最も苦手にしている運動属性の種目をどの子にも1種目ずつ指定し,自分から選んだ4名に対しては,それぞれが2番目に苦手にしているムーブメントを指定した。