研究紀要第111号 「福島県の児童生徒の学力の到達状況に関する研究」 -051/166page
(3)「中町域」別に見た通過率と全国比
1)今回の調査では,「1-2 文章の内容を聞 き取ること」,「2-6 伝えたいことを正しく話すこと」の2つの中領域が全国平均を上回っている。しかし,「2-3 聞き取って適切に応答すること」,「2-4 正しい強勢で応答すること」は,全国比90未満である。
2)前回と比べると,12の中領域中,大部分の中 領域の到達状況には大きな変化が見られない。しかし,「4-12語順を考えて適切な文を書くこと」は,全国比が11ポイント上昇している。
(4) 授業改善に向けて
今回の調査において,「話すこと」のカの育成が必要であることが明らかになった。指導に当たっては,「音声から文字へ」の順序を基本にして,コミュニケーションが必要とされる言語活動をさせ,その中で,生徒が英語を「学びながら使い」,「使いながら覚える」ような工夫をしたい。特に,「話すこと」の指導においては,「聞くこと」と関連させた指導を工夫し,指導をより総合的なものにしたい。さらに,3年間を見通して,どの学年でどのレべルまで達成させるのかを明確にし,段階を追って指導できるような対応が望まれる。
そこで,ここでは「話すこと」の大領域から,全国比が低い小問を例にとり,考察し その領域に関する指導の要点について述べる。