研究紀要第123号 「学力向上のための授業改善に関する調査・実践研究」 -017/076page

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学カ向上のための授業改善に関する調査・実践研究

学習指導部

 平成10年度から継続して,「生きるカ」としての学力を,情意面の能カ,技能面の姥カ,認知面の能カの3つが総合的に関連し合って構成されているものととらえ,「学力向上のための授業改善に関する調査・実践研究」に取り組んできた。
 本年度の「授業改善を図る実践研究(1)」では,平成7年度と平成9年度に実施した「福島県の児童生徒の学カ到達状況に関する研究」の結果を踏まえ,課題となっている領域を取り上げ,中学校2年国語・数学・英語で効果的な指導方法を探るための調査・実践研究を行ってきた。
 また,「授業改善を図る調査・実践研究(2)」では,各教科の持つ特性を考慮しながら思考カ,判断カ,表現カなどを育てるための授業改善に向けての調査・実践研究を行ってきた。本年度の研究教科は小学校生活科,高等学校保健体育科,高等学校芸術科(美術)である。

I 研究の概要

1 研究の趣旨

 中央教育審議会答申は,「生きるカ」について,「自分で課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し よりよく問題を解決する資質や能カ」,「自らを律しつつ他人とともに協調し他人を思いやる心や感動する心など,豊かな人間性」,「たくましく生きるための健康や体カ」を重要な要素としてあげている。
 新学習指導要領でもこれらを受け,「生きるカ」をはぐくむことを目指し 自ら学び,自ら考えるカの育成を図るとともに基礎的・基本的な内容の確実な定着を図り,個性を生かす教育の充実に努めることを求めている。
 学習指導部では,平成10年度からの継続研究として,「学力向上のための授業改善に関する調査・実践研究」の主題の下に研究を進めてきた。
 教師は,授業を通して児童生徒に確かな学力を身に付けさせる責任がある。しかし,その「学カ」は,単なる知識の量ととらえるのではなく,自ら学び,自ら考える力などの「生きるカ」を身に付けているかどうかによってとらえるべきである。そして,「知識を教え込む授業」から「自ら学び,自ら考え,問題を見付け,解決していくような児童生徒主体の授業」への転換を考えて行かなければならない。
 こうした考えを基に,学習指導部では,授業改善を図るため,「生きるカ」としての学カは,「〜しようとする」のような情意面の能カ,「〜できる」のような技能面の能カ,「〜分かる」のような認知面の能カの3つが総合的に関連し合って構成されているものととらえ,研究を進めてきた。
 平成7年度からの学カ到達度調査事業にかかわって,「授業改善を図る実践研究(I)」として昨年度は,小学校5年国語,小学校5年算数,中学校3年英語について実践研究を行い,今年度は,中学校2年国語・数学・英語について授業改善を図るべく,研究実践に取り組んできた。
 「授業改善を図る調査・実践研究(II)」では,小学校生活科,高等学校保健体育科,高等学校芸術科(美術)について,各教科の特性を生かし,情意面・技能面・認知面のそれぞれの能方をのばし,児童生徒の「生きるカ」をはぐくむための授業改善に取り組んできた。

2 研究・実践の内容

(1)「授業改善を図る実践研究(I)」

平成7年度と平成9年度に実施した「教研式・全


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