研究紀要第125号 「情報ネットワークの教育的活用に関する研究」 -048/076page
学校インターネツトの効果的活用
―自動メール返信機能付きアンケート集計システムの開発―
研究の要旨
近い将来,全ての学校がインターネットに接続され,電話やFAXと同じように,インターネットが重要な,情報伝達手段となる時代が到来しようとしている。
このような状況のもと,現在主として郵便を利用して行なわれている教育関係機関と学校の間でのアンケートの実施,各種申し込み,報告などを,インターネットを利用して行うことができれば,業務に関わる時間の短縮,経費の節減,事後の集計の効率化などが図れると考えた。I 研究の概要
インターネットは教職員による業務の効率化にもおおいに役立つものと考える
しかし安全に,確実に,しかも手間をあまりかけずに活用するためには,解決すべきことが多いのが現状と思われる。本研究では,具体的事例を通して,これらの問題点を解決しようと考えた。II 研究の内容
毎年,県内全ての公立学校を対象に「パソコンの活用状況に関する調査」を実施している。この調査をインターネットを活用して実施する場合の問題点を明確にし,その解決策を工夫した。以下は,問題点とその解決策である。
問題点とその解決策 (1)アンケート回答者の制限
Webページは,世界中の人々が自由にアクセスできるのが大きな利点であるが,特定の人にだけ回答して欲しいアンケートなどでは,その利点が逆に障害になる。今回の研究でもアンケート対象は福島県内の公立学校であるので,それ以外の人からの回答は送信されないようにしなければならない。
[解決策]
県内教育機関についてのアクセスデータベースからアンケート対象校のみを選択しさらにUNIXサーバ上で動くことのできるデータベースに変換した。このデータベースには,アンケート対象校の学校ID,パスワード,学校名,地教委名等を記録した。
インターネットでアンケートページにアクセスしようとすると,学校のIDやパスワードが要求される。このときデータベースに記録されている値と同じ値を入力しないと先には進めないようにして,アンケート回答者を制限した。(2)不正侵入の防止
ここでいう不正侵入とは,学校IDやパスワードのチェックを受けないで,いきなりアンケートのページを表示しようとすることである。
[解決策]
アンケートページを表示するHTMLファイルをサーバ上に置かないようにした。その代わりに,学校IDとパスワードのチェックを通過した時にのみ,アンケートページを表示するHTMLをサーバに出カするCGIプログラムを開発した。
これにより,通常はアンケートページを表示するHTMLファイルはサーバに存在しないので,不正にアクセスされる可能性は低くなった。(3)回答作業の簡素化
アンケートは,だれでもが簡単な操作で回答できる形式でなければならない。[解決策]
アンケートはできるだけマウスのクリックによっ