研究紀要第125号 「情報ネットワークの教育的活用に関する研究」 -056/076page
単元の導入時,また,学習のまとめの時など 楽しく活用できるゲームを加えた。これは,1 分という制限時間内に,各市町村の特産物等の アイコンを,地図上の市町村にドラッグして入 れるというものである。
2 授業実践
開発ソフト第1版を使った授業実践を下郷町立江川小学校第4学年(8名)で行った。
(画面を見ながら調べる子供たち)(1)授業の様子
「海辺の人々のくらし」を題材に「相馬市」と 「いわき市」のどちらかを選択させ,調べ学習を行わせた。児童は,書籍資料と併用しながら,ソフトウェアを使って,ワークシートにわかった事をまとめていった。文字データが,4年生 にとっては小さいのではないかと心配したが,抵抗なく読むことができたようである。画像や 映像は,若干,不鮮明なものもあったが,何度も繰り返して見る様子が印象に残った。主な感想
○ いろいろな写真やビデオがあっておもしろかった。
○ 馬のレース(注:相馬野馬追いのこと)がすごくおもしかった。もっと調べてみたい。
○ いろいろな事が載っていた。写りのにぶいものがあった。(画像・映像)IV 研究の成果と課題
1 成果
(1)以下の仕様のソフトウェアが完成した。
対応OS :Windows 95 Windows 98 Windows NT4.0 Windows 2000
開発言語 :VisualBasic5.0
配布形式 :CD−ROM
これにより,幅広く活用してもらえるソフトウュアになったと考える。また,画像・映像などの容量の大きいデータは,CD-ROMから読み込むようにし,ソフトのシステムとAccessで作成したデータベースのみインストールするようにしたため,ハードディスクへの負担が少ない。(5メガバイト程度)(2)県全体,21市町村の産業,伝統エ業,年中行事の画像,映像,文字データを収録することができた。また,データは,すべて追加・変更ができるようにした。これにより,インストールするだけですぐに活用できるだけでなく,指導者の意図にあった教材に変えることができるなど柔軟性のあるソフトウェアとなった。
2 課題と今後の方向性
授業実践の回数が少なく,ソフトの活用についてのデータが十分得られなかった。今後,児童が調べたい市町村を選択し,調べたことを発表し合い,話し合いながら学習課題を解決するような授業,調べる活動を通して得た情報をもとに,児童がデータを変更したり,新たに加えたりするような授業などの実践をすすめ,ソフトウェアの改善・活用を図って行きたい。