研究紀要第128号 「特色ある学校づくりを目指す教育課程に関する研究」 -007/074page
特色ある学校づくりを目指す教育課程に関する研究
教育経営部
本研究は,特色ある学校づくりを目指す各学校の取り組みの現状を調査し,その把握と今後取り組まなければならない課題を明らかにするとともに,「総合的な学習の時間」の取り組みの現状をも合わせて分析し,課題解決に向けての具体的な方策等についてまとめたものである。 また,心の教育という観点から「道徳教育通信」「心のノート」などの活用を通して,校内の道徳教育の充実を図った研究,情報教育の多様化に対応するために教育情報衛星通信ネットワーク(el−net)の有効活用の方法や課題等の研究についての成果を提供しようとしたものである。 1 研究構想
1 研究の趣旨
教育課程審議会の答申は,教育課程の基準の改善のねらいの一つに,「各学校が創意工夫を生かし特色ある教育,特色ある学校づくりを進めること」を掲げた。これは,「豊かな人間性や社会性,国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること」「自ら学び自ら考える力を育成すること」「ゆとりのある教育活動を展開する中で基礎・基本の確実な定着を図り個性を生かす教育を充実すること」のそれぞれのねらいを実現するための基盤となるものであり,これからの学校の在り方を端的に示している。
「特色ある学校をつくる」というと,ともすると「他校と異なること」「目新しいこと」を行わなければならないと受け止められがちであるが,自校の課題解決のための独自な取り組みをすることであり,結果として,それが他校との違いとして表れるととらえることができる。
聖徳大学教授の牧 昌見氏は,特色ある学校づくりのためには,「地域や学校,児童生徒の実態等の正確な把握・分析を基に,それぞれの学校の教育課題を明確にし,校長のリーダーシップの下,教職員が一致協力して教育課程の編成をはじめとする学校運営にあたること」と述べている。
このように,各学校独自の取り組みが,移行期間に入った平成12年度の教育課程において,どのような考えのもとにどのように位置付けられ,実践されているのか,その実施状況の把握と課題を明確にすることが大切であると考え,研究主題を次のように設定した。
特色ある学校づくりを目指す教育課程に関する研究 そして,新学習指導要領の理念を具現し,特色ある学校づくりを実現するための教育課程の編成において,いくつかの視点から課題解決の方策を提案したいと考えた。
2 研究計画
4月〜 5月 研究主題,研究計画樹立
6月〜 9月 実態調査の集計・分析,考察
10月〜11月 研究内容の焦点化
12月 補助資料の収集
1月〜 2月 研究のまとめ
3 研究の概要
○ 特色ある学校づくりに関する実態調査の実施と集計・分析,及び課題の改善策研究のまとめ
○ 「総合的な学習の時間」に関する実施状況の把握と集計・分析,考察と課題の改善策
○ 「道徳教育通信」「心のノート」を活用した道徳教育に関する研究
○ 教育情報衛星通信ネットワークの教育活用に関する調査・研究