研究紀要第128号 「特色ある学校づくりを目指す教育課程に関する研究」 -008/074page

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2 研究内容

1 特色ある学校づくりに関するアンケート調査の実際と分析及び課題の改善策

(1) 調査対象,調査期日等

 特色ある学校づくりに関する課題を明らかにするために,アンケート調査を実施した。

 調査対象は,福島県教育センター専門研修2(ローマ数字)(教育方法実践講座,道徳教育実践講座)及び専門研修3(ローマ数字)(学校経営A講座,学校経営B講座,教育研究法講座)を受講の研修者209名である。調査は,各講座の実施時期(6月,8月)に行った。

(2) 調査結果

<1> 特色ある学校づくり・「総合的な学習の時間」にかかわって,新たに組織した委員会等について

 特色ある学校づくりや「総合的な学習の時間」の実施にあたっての校内組織について調査した。新たに委員会等を設置した学校は,小学校・中学校・高等学校でそれぞれ38%,35%,30%となっている。その中で,中学校の53.3%は既存の現職教育の機能を生かして取り組んでいる。高等学校では20%の学校で現職教育の機能を生かして取り組んでいるが,半数近くの学校は検討する組織を特に設置していない状況にある。

<2> 教育課程編成上で特に配慮した事項

グラフ 特色ある学校づくり,「総合的な学習の時間」のための組織

 特色ある学校づくりのために,平成12年度の教育課程の編成にあたっては,どのようなことに配慮したかを自由記述で尋ねた。その結果,校種を越えて各校それぞれに創意工夫・改善を加えて教育課程を編成したことがわかった。配慮事項の内容は多岐にわたるが,要約すると次のグラフのようになる。

グラフ 教育課程上で特に配慮した事項
総合+T・T… 「総合的な学習の時間」を中心に据え,T・T授業を導入・拡大したケース
総合+その他… 「総合的な学習の時間」を中心に据え,モジュール学習などを導入したケース
何らかの工夫・改善… コース制の導入や図書館教育の充実など,これまでの教育課程に工夫・改善を加えたケース

 教育課程の移行期ということもあり,「総合的な学習の時間」の実施を見据えた配慮事項が多い。T・T授業やノーチャイム制の導入,地域素材を活用した学習の導入など,学校づくりのための配慮事項がある一方で,特色ある学校づくりに関するものよりむしろイベント的行事や学習に関する配慮事項も見られた。新学習指導要領の理念からすると,今後の課題と考えられる。

<3> 特色ある学校づくり(教育課程)を生み出すための教職員間の共通理解

 学校運営には教職員の共通理解が不可欠であり,特色ある学校づくりには,一致協力した運営が要求される。そこで,各学校における共通理解の度合いを尋ねた。結果は,「十分に共通理解が図れた」との回答が小学校で17.3%,中学校で15.0%,高等学校で5.3%であった。小学校・中学校・高等学校とも80%以上が「十分とは言えない」「まだまだ理解不足である」という状況にある。

グラフ 教職員間の共通理解度

 さらに,「十分とは言えない」「まだまだ理解不足


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