研究紀要第133号「開かれた学校づくりの推進」- 001/069page

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「開かれた学校づくり」の推進−学校評価システムの構築を通して−

学校評価研究チーム


T 研究の趣旨

 中央教育審議会の答申「地方教育行政の在り方について」(1998年9月)では,「学校が地域住民の信頼に応え,家庭や地域と連携協力して教育活動を展開するためには,学校をより開かれたものにするとともに学校の経営責任を明らかにするための取り組みが必要になってくる。このような観点から,学校の教育目標とそれに基づく具体的教育計画,またその実施状況についての評価を,それぞれ,保護者や地域住民に説明することが必要となってくる。」と述べている。

 一方,本県教育委員会では,平成14年3月に「うつくしま教育改革推進プログラム」を策定し,そこで,「公立学校のオーナーは地域住民であり,地域住民に信頼される学校づくりを行うことが最も大切であり,教育方針や教育活動について保護者や地域に対して説明責任を果たし,理解や協力を得ること」の必要性について述べている。このために,開かれた学校づくりをはじめとする6つの視点とともに,学校・地域の実状にあった学校評価システムの必要性を具体的な取り組みとしてあげている。

 さらに,文部科学省においては,平成14年3月,小学校設置基準及び中学校設置基準を制定し,高等学校の設置基準を改正した。本県教育委員会においても平成14年7月県立学校管理運営規則を改正するとともに県内の小中学校,高等学校で学校評価制度を導入する方針を決めた。

 このような状況下にあって,学校運営・教育活動の一層の改善充実のための開かれた学校づくりを推進する一方策として学校評価を位置付け,そのシステムの構築に関する調査研究と具体的な提言を行うために上記の研究テーマを設定した。

 

U 研究の概要

1 学校評価の基本的な考え方

 学校は組織体である限り,目的,目標があり,その達成の度合いや方法を絶えず評価し,改善を加える必要がある。

 また,組織体である学校は,その運営に組織マネージメントの発想や手法をとり入れるのであれば,運営について点検・評価を重視することは当然のこととなってくる。

 ここでは学校評価を「学校が学校としての機能をどれだけ果たしているかを総合的・客観的に評価すること」ととらえることとする。

 学校評価を通して学校が目指す姿は,次の三つが考えられる。

(1) 自主性・自律性の確立された学校
 今回の学習指導要領では,各学校の自主性・自律性が尊重され,教育課程の編成・実施については校長の裁量に委ねられる部分が増した。
 このことは,今まで以上に各学校の創意工夫が求められることを意味する。

(2) 責任体制の確立された学校
 各学校の自主性・自律性が尊重され,より創意工夫の余地が広がったことは,その結果についての責任を各学校が負うことになる。
 学校は,積極的に教育活動の説明を行うとともに,その結果をも公表することによって責任を果たすことになる。

(3) 地域に開かれた学校
 これまでの学校評価は,学校内部の教職員が自らの計画・実践を評価してきたために地域や保護者にとって見えにくいものであった。
 公立学校のオーナーは地域住民であり,地域住民に信頼される学校づくりを行うためには学校・家庭・地域の役割分担と連携が一層重要となってくる。
 そのためにも,単に施設設備にとどまらず,教育活動全般にわたって地域に開き,家庭や地域に支援・協力を要請する必要がある。

2 研究計画

(1) 研究実施期間
平成14年4月1日〜平成15年3月31日

(2) 研究重点課題
学校評価の現状調査と評価システムの構築

(3) 重点課題の内容
 本県の学校評価に関する取り組みの状況を調査・分析し,学校評価に関する基本的視点や態度を明らかにする。また,学校評価に関する趣旨・目的・内容・方法等を明らかにして,学校評価システムを構築する。


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