研究紀要第133号「開かれた学校づくりの推進」- 015/069page

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として)反省するところが多く勉強になる。このような評価を共有することによりそれぞれの立場・部署で,新たな改善点(方策)が見つかり,全体(個人)がより良い方向に進み,大変良いシステムである。

 評価票1のアンケートに答える際,誰が何(誰)を評価するのか明確でない。特に「誰が(主語の定義)」が明確でない。自己評価,立場(校務分掌)としての評価,管理職としての評価なのか明確な形での設問にしてほしい。このような形で自己評価を行い,お互いに共通課題や問題点を理解し,仕事をすることは仕事の効率を向上させる点,また教職員の相互理解の点からも良いことだと思う。

R 試行に関する児童生徒,保護者の感想「このアンケートをして思ったこと」

【児童生徒】
 自分の学校生活を振り返ることができた。
 自分を振り返ったように感じた。
 自分のはっきりした意見が出せた。
 先生方がもっとよくしようとしているのが分かる。
 内容が難しい。
 先生に関する問題が多い。答えにくいものがある。
 何の教科の先生についてか書いてほしい。

【保護者】
 保護者の考えを伝えるにはとてもよいことだと思う。
 親も急にいろいろ考えなくてはならなくなり,少々迷うこともありますが,普段からいろいろ考えていかなければならないと思います。
 これからも定期的に改善のためのアンケートを行った方がよいと思います。
 このアンケートを通して,自分が学校のことについてよく分かっていないことに気付きました。これからは今回のアンケートの視点に沿って観察していきたいと思います。
 校長先生はじめ先生方の本気さが伝わってきます。これからもよろしくお願いします。
 先生方とお話をしたいと思っていますが,なかなか学校へ足を運ぶ機会が少なく,できないでいました。このようなアンケートがあれば,これからの学校生活,教育ももっと向上すると感じました
 質問が分かりにくい。ABCDの回答は判断が難しい。
 校内のことは保護者からは分かりにくい。判断できないものが多い。
 「先生方はお互いに協力しあっている」など親が判断できない・分からないことに対する質問はアンケートとしては不適切である。
 教科によって異なる,答えにくい,答えることが難しい等の問題がありました。
 当事者でないと判断しかねる質問が多かったので,多くは願望的な答えになりました。

(4) 試行結果の考察

@
 学校評価全般について
   

 試行によって,「従来の評価への反省」「日頃の教育活動の見直し」「説明責任の自覚」「児童生徒理解の深まり」「積極的な改善」等々において高まりが見られたととらえている。
特に管理職は,「自分自身の意識の高まり」「教職員,児童生徒,保護者による評価の意義と重要性」「学校経営・運営の改善のための有効な手段」という点においてその有効性を指摘している。

 また,評価者を児童生徒,保護者にまで広げたことにより,学校評価はもちろんのこと,学校経営・運営全般を見直さざるを得ない状態になったことが,学校評価に対する認識を促すことになったことも挙げている。
 さらに,公表を前提として実施した学校では,評価結果への具体的な対応を通して保護者からの期待と信頼が高まったことが報告されている。

   
 各学校が苦心・配慮した点をまとめると,概ね4点に集約することができる。
 教職員・児童生徒・保護者に対し実施の趣旨の理解を図ること。
 教職員・児童生徒・保護者より,真に正確な記入を得ること。
 児童生徒・教職員・保護者に対し適切な表現による設問をすること。
 児童生徒・保護者・地域に対し,評価結果を適切に提示,公表すること。
   
A
 学校評価票1について
   
 評価票1の試行によって,「保護者との信頼関係の強化」「指導等における課題の明確化と改善」「児童理解の深化」等がもたらされ有効であったととらえている。
 評価項目の内容及び項目数については,おおむね適切であると感じているものの,「児童生徒に対する設問内容・表現の難しさと学校や担任評価に対する児童生徒の判断等の難しさ」「学校や担任の指導状況に対する保護者の理解状況の不確かさと,それによる評価・判断の難しさ」「評価結果の適切な公表の難しさ」を挙げている。

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