研究紀要第135号生きる力を育てる教育の情報化-041/069page

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F 授業実践(中学校・1年・理科)

ア 実施年月日実施校・授業者
 平成14年11月24日(月)
    福島市立福島第二中学校
       佐藤貴弘教諭・真柴善継講師
平成15年1月10日(金)
    小野町立浮金中学校 金子伸之教諭

イ 単元名
 植物の世界
 「花はどんなつくりとはたらきをしているか」

ウ 授業の概要
 植物に関する学習の発展的な学習として,被子植物のアブラナの花の観察や,各種コンテンツのデータを用いた花の構造や機能(特に生殖器官としての)について復習を行った。またそれらの学習の応用として,地元福島の精細な果樹の花や果実等の写真を用いて,花から果実への成長の様子などの順序を推測し生徒に発表させた。

エ 単元の目標
 果実が花より変化していく様子に興味・関心をもち,アブラナの花のつくりやその成長に関する学習を踏まえて,リンゴやモモなどのいくつかの花の成長の様子を推測することが出来る。

オ 情報教育の目標
 ・自分の身近な事象に関連づけて課題を考える。
 ・集めた情報を分析し,適した方法でまとめることができる。

力 活用コンテンツ
 ・ふくしま教育情報データベース画像
  (福島県果樹試験場提供のモモ・ナシ・リンゴなどの花や果実の精細な写真)
 ・アブラナの花の構造(パワーポイントデータ)
 ・CEC画像素材集

アブラナの花のつくり

写真を用いた授業キ 実践のポイント
 地元福島のモモやリンゴなどの精細な花の写真を用いることにより興味・関心が深まり,植物に関する学習内容がより定着することを期待した。コンテンツの提示は,プロジェクタ,ワークシート,個々のパソコンのディスプレイとその目的に応じて使い分けた。

ク 授業者のコメントとアンケート結果より
 授業者より,「果樹試験場から提供された教材がすばらしい」「コンピュータ画面に収まりきれない迫力がある」「画像の表示に時間がかかったり,画面がフリーズしてしまうことが見られた」などのコメントをいただいた。
パソコンを用いた授業 生徒のアンケートでは,28名中24名が本時の授業を分かりやすいと回答している。また,内容を深く理解できたかとの質問には半数の14名が「理解できた」と答え,「まあまあ理解できた」と答えた13名を合わせると,クラスのほとんどの生徒が本時の内容を理解したことになる。従って,本時のコンテンツを活用した授業は,十分に生徒の理解を高める上で効果のあるものであることが確認された。

ケ まとめ
 コンテンツを有効に活用するための課題をあげる。
・ワークシートでは画像を縮小して1枚のページに収めたが,高精細の画像の特徴を活かすために提示方法をさらに工夫すること。
・生徒のアクセスが集中した場合にでも対応できるデータ提示方法の再検討,ネットワークの構成について見直しを行うこと。

※アンケート等は福島第二中学校での実践をもとに記載したが,浮金中学校での実践結果もほぼ同様であった。


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