福島県教育センター所報 創刊号(S46/1971.6) -001/012page

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所長 白岩和夫

巻 頭 言




かねて建設中であった福島県教育センターは,4月1日をもって開所いたしました。従来の教育研究所ならびに理科教育センターを統合するとともに,新しい構想と規模の下に近代的な施設,設備を持つ教育研究・研修の殿堂として発足したのであります。

総面積14,471平米の敷地に,北側から第1棟(本館,地下1階地上5階 4,382平米),第2棟(理科棟,地上3階1部4階1,567平米),第3棟(情報処理教育棟,地上2階1,060平米),宿泊棟(地上4階,120人収容,1,902平米)と並び,その他63平米を加えて建物総面積8,974平米という全容であります。

なお,宿泊棟は6月20日完成の予定をもって現在工事が進捗中であり,第3棟の電子計算機は中型のものが本年度後半に設置されることになっております。

社会の大きな変貌と科学技術の急速な進歩の波は,教育に質的な向上を要求していわゆる現代化の必要をもたらし,また,教師に対する専門職としての期待は自から教職員研修の充実の要請となり,教育研究と教職員研修のための機関の拡充整備が数年来の問題となり,その実現が待望されておりました。このたびの教育センターの建設はこれにこたえるものであることはいうまでもありません。

ただいま全国的な趨勢は,教育研究所ないし理科教育センターから,それらを総合し拡充した教育センターという組織・機構のものに改められて来ているところが多く,すでに70パーセントを越える府県においてその実現を見ておりまます。ここ2,3年にしてほとんどすべての道府県において教育センターの形になるものと考えられますが,現時点において,本県教育センターの規模ならびに内容は,設備ならびに環境の整備の完了とともに全国屈指のものとなるものであります。

このようにりっぱな教育センターの完成を見ましたことは,本県教育史上記念すべき1ページとなるものと存じますが,誠に慶賀に堪えないところであると同時に,また感慨深いものを覚えずにはおられないのであります。深いご理解と励ましとをいただきました関係各方面に対しましてあつくお礼を申し上げ,ご支援ご協力くださいました多くの方々に深く感謝申し上げる次第であります。

教育センターは,教育に関する実践上の問題はじめ当面する諸問題や,教育行政に係る問題等の研究ならびに教育関係職員の研修を行なう教育機関であると同時に,「教育資料センター」としての機能を持つなどの教育奉仕事業を行なう使命を有する機関であります。

すなわち,教育センターは次の三つの性格を持つと考えるのであります。一つには教育研究の機関であり,二つには教職員研修の機関であり,三つには教育に関する奉仕活動の機関であるという性格であります。この基本的な性格に基づいて各種の事業を行なってまいるわけであります。

このたび建設されました本県教育センターの施設設備の規模ならびに内容は,前述のとおりきわめて充実した近代的なものでありますが,これを活用し成果を挙げて真にすぐれたものとする,いわゆる魂を入れるのはこれからであります。

1万9千の本県教職員はじめ教育関係各方面の文字どおりの研究と研修の中心として活用され,また,教育資料センターとし教育奉仕機関としての機能を果たして,本県の「未来を開く豊かな」教育の大きな躍進の契機となりカとなるよう念願するものであります。どうぞ忌憚のないご高見ご要望を賜わり,よろしくご支援ご協力くださいますようお願いを申し上げます。

新しい発足にあたり一言申し述べてごあいさつといたします。

   福島県教育センター所長 白 岩 和 夫


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