福島県教育センター所報 創刊号(S46/1971.6) -008/012page
(4) 教育環境に関する研究
(5) 青少年・児童に関する研究
(6) 学校経営管理・指導に関する研究
(7) 道徳・特別活動に関する研究
(8) 生徒指導に関する研究
(9) 教育評価に関する研究
(10) へき地教育に関する研究
(11) 家庭教育に関する研究
(12) 社会教育に関する研究4 おもな内容
(1)学校経営に関する研究
学校経営の本質的な反省にたち,問題点をとりあげ,現代社会に即応する,学校経営のあり方を追求するため,県下の小・中・高校における学校経営の実態を調査・研究し,今後の学校経営のビジョンをもとめ,学校経営の基礎資料とする。
[1]内容
ア 学校経営の実態からみた合理化
・目標に対して,有機的に結びついている。
・客観的な方向性をもっている。イ 現代社会の変動に見あった学校経営のあり方
・技術革新による社会の進歩に即応している。
・特性に応じた分業・協業が協力的に営まれている。ウ 法的にみた学校経営のあり方
・制度に順応・統制がみられる。
・理念と制度が有機的に結びついている。エ 教育の現代化を見とおした学校経営の改善
・目標・内容・方法が有機的に結びついている。
・地域の変ぼう等に即応している。
・生涯教育の立場が配慮されている。
・諸計画は実践可能である。[2]調査対象
県下小・中・高校とする。
[3]調査方法
質問紙法によるも,時に面接法も行なう。
(2)小学校における教授組織に関する研究
科学技術の進歩は,知識量の拡大とその質を高度化し,子どもの生活を多様化させている。このような技術革新は,教育内容や方法・技術にも波及している。このような現状に対処するためには,機能的な組織体制で,教師の特性を生かするともに,相互の協力が望まれる。そのため県下の実態をもとにし,望ましい教授組織を実証的に究明するとともに,実践上の具体策を明らかにし,教授組織の改善資料とする。
[1]内容
ア 協力体制としての学年(学年団)の経営
学校経営組織において,指導と校務分掌を協力分担制に合わせて組織する。その推進母体を学年におき,学習指導・生徒指導はもちろんのこと分掌事務も学年において有機的に企画できるようにする。
イ 単元指導計画の共同作成
実際授業のための1時間ごとの指導案を単元指導計画とし,単位学年,あるいは近接学年による学年団で共同作成する。そのため学年の組織を分業・協業が可能であるよう配慮する。
ウ 教材・発達段階・経験に応じた集団の再編成
教科の性質,あるいは教科内容に応じ,子どもの発達段階・経験によって,既成の学級集団を合わせて大集団にしたり,グループに分けて小集団にしたりすることである。そのためには,単位学年の教師が協力して,生徒指導が行なわれている体制にする。
エ 教師の特性を生かしたチーム・ワーク
効率的な授業として,かつ教育機器の導入を可能にするため,TL・RT・STといったような役割で協力し,本質的な授業を展開しようとする。その役割は固定したものでなく,教材の内容によって,弾力性をもたせ,機能発揮をはかることによって,チーム・ワークをも考えることにする。このことは,たぶんに経験の少ない教師のグルーピングによる自校研修の一方式とも考える。
[2]実験学校
ア 福島市立吉井田小学校
・教授組織としての学年団による,協力体制の確立
・理科・体育科の単元指導計画の共同作成
・教材・発達段階に応じた,合併授業・複数授業の展開
・学年団チームによる分業・協業イ 安達町立下川崎小学校
・単級学年の学校経営における教授組織
・単元指導計画作成の協力体制
・大・中・小集団の再編成による授業の展開
・チーム・ワークによる教材研究(3)子どもの社会認識に関する研究
子どもたちは,その属する家庭・学校・地域などでの共同生活の中で,さまざまな機会にふれて,社会認識をつくりあげている。その機会や事象・受けとめ方を探究しながら,社会認識の形成のあり方を明らかにし,生徒指導の基礎資料とする。
[1]内容
ア 地域社会,国民の一員としての自覚がいかなる機会に,どのような事象で形成されるか。
イ 歴史の継承・創造者の一員としての社会認識が,どのような事象にふれ,それをどう受けとめて形成されるか。
ウ 生活設計はどのような傾向にあり,その背景はどうなっているか。