福島県教育センター所報ふくしま No.11(S48/1973.6) -023/025page

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情 報 処 理 教 育 の現 状

第3研修部   小 原 健 次 郎

 情報化時代に突入したといわれる現在,情報処理は,今目の社会における飛躍的な情報量の増大への対応,即ち情報の敏速な処理,的確な予測を得ることなどのために,現在の社会において欠くことのできない基本的な,知識技術とたりつつある。
 高等学校においても,電子計算機による情報処理の基礎的な知識や基礎的な実際の技術的処理は,すべての生徒に今後習得させていく必要があるとの風潮が漸次増しつつある。
 昭和48年4月から実施された,高等学校の新学習指導要領においても,数学の科目の中でコンピュータに関連のある事項を取りあげ,工業および商業の学科においても,情報技術科および情報処理科を,更に10科目を新しく関連する科目としてとり入れられたのも,これらの要望に基づくものと思われる。
 全国において,高等学校の情報技術科・情報処理科は昭和48年度に設置されたものを含めて,それぞれ28学科,69学科,総計97学科に達し,更に今後その数はますます増加されるものと思われる。
 また,情報処理教育センターも昭和48年度において19都道府県に及び,それぞれ中型コンピユータを備え既存の共同実習所とともに,教員の研修,生徒の実習を実施し,現代の要望に応えているのが,全国の情報処理教育の現況である。
 ひるがえって,本県の現況を見てみると,昭和45年度に郡山商業高校,喜多方商業高校にそれぞれ,事務科が設置され,ミニコンピューターを導入し,情報処理教育が実施されたのが始まりであり,更に情報処理科が,昭和47年度に福島商業高校に,続いて昭和48年度に郡山商業高校に設置され,それぞれ小型電子計算機が導入され本格的に情報処理教育が実施されて,本県高等学校における情報処理教育の推進の役割を果たしつつあるのである。更に情報処理教育センターが昭和45年に文部省から内示をうけ,45年度施設,46年度設備の2年間の整備計画に基づいて進められたのである。
 46年4月には福鳥県教育センターの第3研修部として新たに発足し,同年12月には中型電子計算機FACOM230-25および関連機器が,更に47年1月には自動制御工作機械装置が設置されたのである。
 46年2月はCOBOLおよびFORTRANによる,情報処理研修講座が開かれ,それぞれ26名ずつの教員の研修が実施されたのである。
 昭和47年度には1講座15名ずつ,5講座を開講し,また48年度には6講座を開講する予定であり,今年度末においては,実員217名の教員研修を修了する予定であり,かつ他団体主催の講座も年に数回開かれており,また自主研修が行なわれ,遠くの教員には通信教育も行なわれて,その成果が着々として現われ始めている。
 即ち受講された先生方が各学校において授業を担当され,当センターに生徒を引卒し,プログラムのカードパンチ,デバック,ランなどを実習し,生徒に中型電子計算機による情報処理を体得させている。その数も昭和47年度においては6校,約400名であったものが今年度においては14校,約3000名の申込みがあり,更に年々増加するものと予想される。
 情報処理教育は各学校において,種々の点を考慮した上で,その目標,内容,形態が決定されるものであり,センターはそれらの学佼へ教育に対して側面的に援助するのが基本的な立場であり,かつ学校における科目は年間を通じて履修され,その進度に応じて実習が展開されるのが望ましい形態であると思うので,当センターでの生徒実習は,学校の希望をじゅうぶん生かせるよう配慮し,生徒の実習が各学級のそれぞれの科目の目標を,達成でき得るように配慮した積りである。

電子計算機室での実習写真
 電子計算室での実習    数値制御工作機械室

 センターでの生徒実習の方法としては,数多くの具体的な例をあげて,各学校でこの中から適宣取捨選択させ


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