福島県教育センター所報ふくしま No.12(S48/1973.8) -011/025page

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フォートラン文法の指導とミニコン
導入上の留意点について

第3研修部   金沢 義夫

 フォートラン文法を指導したいときは,1時間でも直接コンピュータ・ランの体験をあたえておくとよい。そのあとは通信制によっても,体験が授業を理解してくれる。
 ここでは指導内容のとらえ方と指導方法の一例をのべたい。

・ ・ ・
(1)指導内容について
 指導内容をとらえるにはつぎのA面,B面,C面を考えておく必要がある。
―A面―
 下表の文(ステートメント)のうちからどれを取りあげたらよいものか―ということがA面からの見方である。勿論,指導内容の範囲は授業時数によって制約されよう。そこでセンターでの3日間コースの場合を例にあげて,見方の,ある焦点を紹介する。

ステートメント表

3日間コースでは
 1.READ文
 2.WRITE文
 3.F文字 RMAT文
 4.算術代入文
 5.G文字文字
 6.IF文
 7.D文字
 8.C文字 NTINUE文
 9.ST文字 P文
 10.END文
を内容としている。
 しかしながら

(イ)後述するB面,C面の影響をうけてDIMENSI文字 N文がとれない。
(ロ)G文字文字 文は「無条件型」にとどめる。
(ハ)IF文は「算術IF文」とする。
(ニ)D文字 文もつぎの配列を考えれば多重D文字 文を組み入れたかったがはぶく。

等となっている。
 考えてみると,どのステートメントを採用するかということは,どれを基本のものとしてかかるかという問題になる。事実「ten Statemnt plus fortran IV」という図書がある。また,ステートメントの採用個数によって初級,上級等という段階を検討している方もいる。
 また「基本ステートメント」とは,IF文にしろD文字 文にしろ,最も単純な機能だけにとどめておけばよいのか,それともフォーマット等でさらに肉付けして,D文字 文までの文法で適当にデザインしたプログラムが組めるところまで拡張しなければならないのか。それともIF文までとしてD文字 文を見送るか。あるいは配列までを基本の範囲に定義付けるべきであろうか・・・。
 定説はないが,時間数の制約だけではきめられないものがある。
 私としては「水を怖れなくなれば,あとはひとりで泳ぎだす」という気持でA面をあつかっている。つまりA面から指導内容をととのえるときは,「基本ステートメント」というもののとらえ方によって差違を生ずるので,指導の際には目標を設定したかぎり,思い切りが大切であるということになる。

―B面―
 建築のためには設計図が必要なように,コーディング(記号化)するためには,記号になおす前の素材としての「流れ図」が必要である―ということがB面からの見方である。
 習いはじめは必要性が身につかない。そしてIF文になって便利なことに気がつく。それでも10人中7人位はフローを書かないでコーディングする方が多い。コーデイングの方がコンピュータに近いので,フローは面倒がられるのである。
 よくプログラムの相談を受けて,どうもおかしいと


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