福島県教育センター所報ふくしま No.14(S49/1974.1) -014/022page
教授組織に関する研究
実験学校の研究の歩み 福島市立青井田小学校の部
福島市立吉井田小学校長 黒 須 惣 介
福島県教育センター研究・相談部長 内 藤 善 次
福島市の進出地域にあり,福島駅より15分,土湯街道沿いの学校で,児童数509名,特殊学級を含めて15学級の,県下では普通一般規模として比率の高い学校である。児童の生活環境を職業構成でみると,会社員29.0%,公務員20.8%,農業17.6%,建設業8.2%,その他で24.4%で多様性のある地域である。
学校経営面での教員構成は,校長を含めて18名であり,男・女教師の比率は4:5である。
「教授組織に関する研究」の実験学校として,研究をはじめてから4年を経過している。
次にその概要を述べることにする。
1.学校経営
学校組織を教授・学習組織,事務組織,運営組織とし,教授・学習組織を中核とし,相互関連的に構成し,協力体制による教育成果を期待している。
(1) 組織単位
組織の構成単位を学年団におき,教師の専門性や特性を1学級に固定させることなく,かつ,多面的な生徒指導をたてまえに,低・中・高の学年団として,協力体制をとり,いっさいの教育活動は,各学年団の貢任により遂行する。
(2) 弾力的な集団の再編成
既成集団(学級)を教科の性格・内容・児童の発達段階・経験に応じて,大・中・小集団に再編成し,本質的な授業を展開する。
(3) 協力的な役割分担
学年団の協力体制により,教育課程,事務内容,運営事項を分担し,各メンバーは,主体的に役割をもって遂行する。教育課程の遂行についての教授過程においては,段階的な確かめや,教育機器の導入を可能にするため,複数の教師による授業を採用し,授業の効率化をはかる。
2.研究のねらい
研究の視点を単元指導計画の共同作成と,教材,発達段階・経験に応じた単位集団の再編成,および,教師の特性を生かしたティーム・ワークとし,そのねらいを次のようにする。
「協力教授組織による教授過程と,その役割分担活動のあり方」
(1) 具体的な研究のねらい
- ア
- 体育の一部合併授業の単元指導計画の共同作成と,協力・分担授業の進め方
- イ
- 理科・算数の一部複数授業の単元指導計画の共同作成と,協力・分担授業の進め方
(2) 実施教科と学年団
- ア
- 体育は全学年団で行なう。
- 算数は低学年団,理科は中・高学年団で行なう。
3.経営機構