福島県教育センター所報ふくしま No.15(S49/1974.3) -029/030page
事務だより
当教育センターは,本県教育の振興及び充実を図るため,昭和46年4月に発足し,満3年が過ぎようとしております。
この間,センター主催で実施した研修に参加された先生方は約6,930人におよんでおり,これらの先生方が現場教育の向上に大いに貫献されていることと確信いたします。
センターの事務当局においても,研修及び研究等の事業がより効果的に運営されるよう施設設備の充実や環境整備を図っておりますが,まだ未整備の点も多々ありますので,今後,年次計画で整備充実を図りたいと考えております。
センター開設後,皆様方からのご要望の点も含め,整備した主なものは次のとおりです。
1 46年の夏には冷房設備がなかったので大変暑い環境での研修をよぎなくされましたが,47年7月に冷房設備(宿泊棟を除く)を設置した。
2 宿泊棟への渡り廊下がなく風雨時には不便をおかけしたが,47年9月に渡り廊下を建築し,研修棟と宿泊棟とが連絡された。
3 48年度では,外壁工事と砂利敷工事を施工し,外部環境の整備と駐車場の確保を図った。
また,造園工事を施工し,盛土と植栽をして外部環境の整備を図った。
特に,外部環境の整備については,研修に参加された方々から記念樹でもとの芳志金の寄贈もありましたので,これについてもご意志に添って計画的に役立てて行きたいと考えております。
以上が概況でありますが,今後とも研修等の場としてより良い環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
次に,研修旅費支給のための旅行命令書の写の提出についてお願いします。
教育センターが主催して実施する研修については,教育センターで旅費を支給しますので,学校長の決裁を得た旅行命令書の写を,当該講座開始の2週間前に教育センターに必着するよう提出願います。止むを得ない事情で参加を取り止める場合及び参加者を変更した場合についても,取消の旅行命令書の写又は新たに参加する者の旅行命令書の写を講座開始2週間前までに教育センターに必着するよう提出願います。
あ と が き
所報も当初の計画どおり,年5回発行することができ,本号はその最終号である。
現場の先生方に「読みやすく,親しみやすく,教育実践に直結するように」との目標のもとに,編集につとめたつもりであるが,紙数に限りもあり十分意をつくせなかった点も多々あり,お詫びしたい。
幸いにも年々多くの先生方に手にされ,ご要望,ご批判などもお寄せいただきましたこと,厚くお礼を申上げる。今後とも「みなさまの所報」として,親しみのあるものにするため,倍旧のご支援,ご鞭撻をお願いいたしたい。
さて,わが国の経済社会も大きな転換期に直面して,「日本の教育はこれでいいのか」が問われている。
まず,教育の現状診断から体系的治療策を国民全体の責任において考え直すべき時期と思われる。おそらく,「学校万能主義」は終わりを告げ,生涯教育(life long educationというよりlife long learningといった方が)の観点から,人間尊重の精神を基調とした家庭教育,学校教育,社会教育の位置づけと役割が明らかにされ,システム化がすすめられていくものと思われる。
また,これらに関連して,それを推進する教育行政の研究も,学校管理法規の研究中心の立場(ドイツ型)や,合理性や人間関係に着目した経営能率の研究の立場(アメリカ型)など,並列現象があって戸惑いを感じさせられるが,U.Sのようにschool administrationとして総括して考えている立場もある。そして,どこまでも「人格の完成」という理想から,直接住民や子どもたちの福祉につながるように作用させてゆくべきものと思われる。
次年度においても,更に本年度の反省を生かし,努力したいと思うので,いっそうのご支援をねがいたい。
(U)