福島県教育センター所報ふくしま No.21(S50/1975.6) -011/025page

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     OMRの利用法と実習について

                          第3研修部 桜井正一

はじめに

 情報処理教育を推進するには施設・設備の充実が極めて重要たことは周知の事実である。しかしながら,授業を展開するのに充分な設備を備えることは,関係者の努カにもかかわらずなかなか困難な現状であり,各学校ではその実態に即した創意工夫を加え,不充分な点をカバーしたがら生徒指導にあたってきた。ある学校ではけん盤せん孔機を2台設置することが精一杯であり,1クラスの効率的な授業展開が思うにまかせず,予期した学習効果を発揮することができなかった。それかといって,情報処理教育推進学科以外の学科では三けん盤せん孔機の台数をローテーション方式による授業展開が可能なまでに増設することは困難であろう。とすると,その解決策としてマークカード変換装置を導入することも一つの方法であろうが,情報処理教育の核としてのセンターを利用することが肝要となる。

 本センターの電子計算機を利用する方法には, 1 来棟して直接利用する場合と,2郵送によって間接的に利用する場合とがある。

 2の郵送による利用の方法には(メール方式)
 (1) コーディング用紙のみを送る場合
センターの所員がカードにせん孔してランする。
 (2) 側利用者白身がせん孔した紙テープを送る場合所員がランのみを行う。
 (3) OMRシートにマークして送る場合所員が(2)の場合と同様ランを行う。
 など三通りがある。

 特に2の(3)を利用することによって,電子計算機を設置している学校は勿論のこと,設置していない学校の生徒もランの機会が多くもてるようになり,より広範囲な情報処理教育の推進が可能となった。

 今回は最近注目されているOMRの利用について考察してみよう。

 1. 光学マーク読取装置(OMR)

 OMRを来棟して実習する場合は当然のこと,メール方式をとる場合にも機械の概要や操作について正しく理解しておくことが必要であり,それが0MRの円滑な利用につながることにたるので,先ずこの問題からふれていこう。

(1) 概要

 本センターの光学マーク読取装置(OMR : OpticalMark Reader)は,シート(帳票)上に普通の鉛筆で書かれたマークを,光学的に読取る装置である。

 マークは用紙上のおのおのの位置ごとに特別な意味をもたせておき,これらのマークはいったん全部電子計算機に読まれてから後で,プログラムによって処理されるので,使い易い帳票を設計することができる。

 帳票は,連続自動送りによって1時間に6000枚の速度で読み取られる。

 本装置の写真を第1図に示す。

第1図 OMR
第1図 OMR

(2) 構成と機能

 1 構成

 本装置は次の構成図の各部分から構成されている。

第2図 構成図
第2図 構成図

 2 動作原理の概要

 帳票(マークシート)はマーク面を上側に向け,タイミングマークが奥の方へ入るようにしてホッパ台に積む。次にスタートボタンを押すと,ホッパ台が上昇して積まれている帳票の最上部が所定位置までくると停止する。その後本体から送られる読取指令によって動作を開始する。

 読取ヘッドの下を定速度で通遇する帳票上のマーク


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