福島県教育センター所報ふくしま No.22(S50/1975.8) -011/026page
照 度 比 較 器 の 自 作 と そ の 応 用
第 2 研 修 部 柴 田 宣 教
昭和48年の中学校理振法基準品目の改正で「照度比較器」が新しく加えられた。これは従来のルックス計に比べて,光の弱いところでも充分作動できるように作られたもので,いわば高感度の照度計である。
受光体はシリコン太陽電池であり,メーカーによってはルックスで目盛ったメーターが付属しているものもあるが,一般には受光体をスタンドに取りつけたもののみで,それにマイクロアンべア計をつないで読みとるようになっている。この場合目盛はルックスでないので,照度の大小はμA単位で読むことになる。したがってこの製品を高感度ルックス計とは呼ばないで,照度比較器と名づけたのではなかろうか。
各社の製品を紹介してみると,
U社
TD−10型S社
LO−5型S社
LO−M1型受光体 直径40mm丸 2mm×2.5mm 20mm×20mm メーター ルックス目盛 付属せず μA計付属 メーカーによっては直径40mmぐらいの丸型光電池を用いたものと,一辺3mmぐらいの小さな角型を用いたものがある。前者は感度が大きく,豆電球を用いても実験できる長所があるし,後者は像のように,小さく照らされた部分の明るさを調べるのに都合がよい。なお,このことについては応用のところでくわしく述べる。
1 シリコン太陽電池について図1のような構造であり,光がP型シリコンのうすい膜を通してN型シリコンとの接合部に当ると,その接合部で電子がN型からP型の方向に移動し電流を生ずるものである。
シリコン太陽電池
従来のセレン光電池に比べはるかに能率がよく,しかも当てる光が1000ルックス以内なら,光の強さと,生ずる電流がおよそ比例関係になるので,照度測定には極めて都合がよい。
太陽電池の特性を調べたものがグラフ1である。
2 照度比較器の自作
昭和49年発行の本センター研究紀要16号にCdーSeセルを用いた照度比較器の製作を紹介したが,これは光によってCd−Seの電気抵抗が変化することを利用したものであり,電池を内蔵して使用しなければならないし,またルックスと電流値の直線性も悪い欠点があった。今回紹介するものは太陽電池を用い,その出力を直接マイクロアンぺア計で測るものであり簡単であり,しかも直線性が良いので,この方をおすすめする。
1. 6cm×6cmのうすいべニヤ板に1mmの方眼紙を張り,その中央に太陽電池(シャープSPD−500)を固定する。(固定するには,リード線の部分をセロテープ