福島県教育センター所報ふくしま No.22(S50/1975.8) -013/026page
レンズの種類がもう一つ多く,4種類あればグラフを書くのに都合が良いのだが残念である。
(3) レンズの口径と像の明るさとの関係
この実喚では焦点距離が等しく,口径の違った数種のレンズがあれば良いのであるが,入手困難である。そこで黒紙に穴を明けたしぼりを作りレンズのわくにはめ込んで使用した。実験結果を次に示す。
光源とレンズの距離 焦点距離20cm
レンズ(しぼり)直径Dcm 照度μA D 2 7.6 42.1 57.7 5.2 19.8 27.0 3.9 11.9 15.2 2.6 5.0 6.8
なお,S社のLO−5型を用いるとき,なつめ電球では,充分マイクロアンぺア計を動かすことができないので,引伸用電球(150W)の表面にマジック矢印をつけ使用することによって良い結果が得られたことを,つけ加えておく。
なつめ電球や引伸し電球は管の内面に白色塗料が塗ってあるので,電球の表面が幅広い光源となり,像を作るのに都合がよい。
応用例の1の場合は光源として点光源が望ましいので普通の電球よりは,フィラメントの小さい自動車用の電球(12V−2Aぐらいのもの)を用いるのが更によい。普通電球の場合には,光源が大きく点とはみなせない。そのため20cmぐらいに近づけると,それ以内では距離の2乗に反比例がやぶれて1/距離 2 のグラフがだんだん曲がって来るようになる。
(4) 光の方向と受光面の角度の影響
受光面が,光に直角な方向から θ だけ傾いたとき,面の照度はどう変化するかを調べる。そのためには,平行光線を用いて実験しなければ,正しい結果は得られない筈である。しかしこの照度比較器の受光面は小さいので,あまり影響が無いのではないかと考える。
ここでは光源として100W電球を照度比較器から35cmはなして置き,照度比較器を20度ずつ回転させ,そのときどきのμA計の値を読みとった。
角度 比較器の電流μA cosθ 0 51 1.00 20 48 0.94 40 41 0.77 60 27 0.50 80 10 0.17
グラフ9から,I がおよそ Icosθ に比例することがわかる。
以上照度比較器を用いて,従来やれなかった実験ができ,光教材を深めた授業がやれるようである。全部が中学校の教材にあるわけではないから取捨選択し,授業に,研究に,クラプ活動にと使いわけることが望ましい。
また高感度の照度計であることを利用して,引伸器用の露出計としての応用もあると考えられる。
トランジスターを用いて出カ電流を増幅すれば,光によって動作するリモコン装置を作ることもできる。文化祭などの出しものにおもしろいと思う。その方面に興味をお持ちの方は,ぜひアイデアを提供していただきたいと考えている。