福島県教育センター所報ふくしま No.22(S50/1975.8) -016/026page
積極的には練習していない既習教材を組織的に再導入することができる。このようにして生徒の倦怠感なしに要点の繰りかえしをすることによって既習の課の教材の保持 (retention) がたえず強化されることになろう。
次に教科書付属のテープを活用する立場で前掲書のリバース(W.M.Rivers)の手法をいくつか紹介しよう。
(1) 既習の読みの教材の中にある句や文の識別
ア A man ___ for two hours. イ Mark Twain sat and ___ _ his speech. ウ ……………………………(N.P.E.2.p.41) (2) 保持なしの織別と選択 (Identification and selection without retention)
・話の筋に発展性のある連続した文章を聞きその筋を追っていく。聞き終ってから要点,あらすじが書ければよい。能力によっては単語だけ,1語だけでもよいことにすれば容易に導入できよう。
(3) 短期保持を伴う織別と指示つき選択(Identification and guided selection with shortterm retention)
・既習の対話文または読みの教材を聞いて生徒は配布されたプリントの正誤問題 (True-False) をする形式
( ) An English student went to a city in the north of America to study there.
( ) The sun will come into the room during the morning.
……………………………(N.P.E.2.p.39)・多肢選択解答をみながらテープを聞いて,その後,教師の英語での質問こ答える形式
(4) 識別と選択と長期保持(Identification, selection and long-term retention)
・用紙に書かれた質問に聞いたあとで答を書く形式
ア Where was an old man standing? イ Did she dance very fast?
……………………………(N.P.E.2.p.31)おわりに
とにかく,日常の授業の中で,まとまりのある内容を聞いてわかる作業が不足しているのではないか,テープを聞かせぱなしでいないか反省したいところである。教科書をみないで聞いてどの位わかるか,わかるようになったかという訓練のしかたに少しでも参考になれば幸である。
音声教材の紹介学校で学習した英語を基礎に英語の聞く能力,話す能力を更に向上することを目的として作られたもので,教師や生徒の会話カの進歩と犬に発展的に扱えるようにくふうされたユニークなものであり,クラプ活動にも活用できる。
English Conversation Through Pictures1(ELEC) \2,860(カセットテープ共) Lesson 1〜41まであり,3つのタイプに分かれている。A:おもな sentence の理解,練習に重点をおいた対話練習 (an introductory lesson) B:簡単な対話の練習をしてから絵に従って会話を変化させる練習,絵の内容をもとにして広範囲の drill も可能である。(abasic lesson) C:絵と簡単な文を十分に練習してから質間に答える練習 (story pages) 次の絵は Lesson 16 (Bタイプ)である。