福島県教育センター所報ふくしま No.25(S51/1976.2) -025/026page
高等学校英語講座
この講座は,英語担当教員の専門的な識見を高めるための理論と実際の両面を研修の目的として実施してきた。
外人講師による発音演習,会話演習,講義など実際に英語を使っての研修を主眼にすすめてきた。研修に参加された先生方の協力をえて,好評のうちに終了することができた。来年度は,LL演習,視聴覚教材による演習などより充実した講座にしたいと考えている。
高等学校理科講座
12月2日より4日間実施の予定であったが事情により中止になった。
高等学校家庭講座
食物コースは9月16日〜9月20日の5日間,被服コースは11月11日〜11月15日の5日間,それぞれ12名の先生が受講された。その内容は食物コースは主に日常食品の調理実験,消費者教育面から食品添加物の検出などをとりあげ,被服コースは,被服材料の性能,被服構成に関する実習,縫製に関する実験,洗浄カ試験,スタイル画の書き方を主に行なったが大変好評であった。
高等学校情報処理(c)講座
9月30日〜10月4日の5日間,商業科担当教員13名を対象として実施した。講座の途中から受講者の程度に応じグループを編成したり,視聴覚教材を活用するなど研修の内容に変化をもたせ,さらに―人―人が納得のゆくまでマシンを操作して体験学習をしてもらった。
生徒のコボル言語による学習が減少している折柄,今後どの科目でどのように生かしていくかが課題となろう。
高等学校情報処理(F)講座
初級2回,上級2回,OR入門1回を実施した。
既修者のアンケートに沿い,来年度は中級を設ける。しかし,現在はどの教科からでも参加できるところから,各講座の内容をつぎのようにしたい。
初級 IF文,DO文まで
中級 配列のみ
上級 サブと誤差などそして,中級までは文法機能の習熟を中心としていたずらに付帯項目は解説しない方針でのぞみたい。
高等学校数値制御講座
1回実施している。ここではNCプログラミング,サボ機構解説,機械操作の習得などを内容とした。
次年度は,好評を得ている諸講師と相談して
1・教科指導との関連
2・ 自動プログラミングの概要
3・フォートランの併用などを加味するよう検討したい。
初心者向けにかわりはない。高等学校教育相談講座
本講座の内容として次のことを実施した。1)心理診断法 2)自律訓練法 3)生徒指導上の諸問題 4)事例研究の進め方。この講座には,多数の希望者があり,受講者決定に苦慮した。今年度は,女の先生方の希望が多かったことは特筆すべきことである。事例研究の協議の中で,各校の教育相談における問題点は,そのまま教育の問題点であると結ばれた先生方のけい眼に敬服した。
あとがき
○本年度は各校において少しでもお役に立ちたいと念 じ,「学習指導と教材研究」を中心として編集してまいりました本誌も,計画どおり発行でき,最終号をお届けいたします。
第24号において,次年度の編集についてのご意見をお願いしたところ,44名の方から貴重なご意見をいただきました。厚くお礼申し上げます。
次年度はこれらのご意見を十分検討し,ご意見に添 った,現場の先生方に真に役立ち,活用願える所報とするよう,内容の改善に努カしていきたいと思いますので,いっそうのご支援,ご鞭撻をお願いいたします。
○福島県教育史編さん資料第七集,「明治初期における教育史料」(福島県教育委員会発行)に,田島町の星伊七郎先生の「教育日誌」が掲載されていますが,明治34年8月28日よりの日誌のはじめに次のように書かれています。
「此日記は己れが教育事業にたずさわる間に実験せ しこと,工夫せしこと,さては感じたこと,児童観察上のことなど,何くれとなく日々起りし事を後日の参考に供せんが為め記し置くものにて,教育事業をして成功せしむる―助となさんことを期すものなり……」
学年末を控え先生方も多忙な時期,ややもすると多忙さに流され,貴重な研究実践の結果が記録されずにしまうことがないでしょうか。
この星先生のように,教育事業をお互いの研究実践結果の累積によって成功させるよう,次年度もますます努カしたいものです。