福島県教育センター所報ふくしま No.25(S51/1976.2) -024/026page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

中学校技術・家庭(男子)講座

中学校技術・家庭科の指導の充実と向上をはかることを主眼とし,男子48名各2回(前後期)実施した。

特に電気領域と材料試験(木材と金属)を重点としながら内燃機関の整備実習,教材・教具の製作等について実施した。受講された先生方は非常に熱心に実験・実習・製作に取り組んでおられた。来年度は内容や運営に検討を加え,より充実した講座にしたいと考えている。

中学校技術・家庭(女子)講座

前期は5月,6月,後期は9月,10月と合計8日間にわたり別名の先生が受講された。前期は家庭電気教具製作と実験,調理時のビタミンCの損失,食品添加物の検出などについて,後期は家庭機械の機構と模型の製作,洗たくの科学,保育,すまいのくふうなどを実施した。先生方は,全員が極めて熱心でしかも研究的であった。来年度は各領域内容を精選し,指導法も加味したい。

中学校教育相談講座

本講座には,中学校の先生方30名が参加した。内容として,l)Y-G性格検査法 2)教育相談の問題点

3)適応性診断テスト 4)事例研究法などである。

討議の中心は,登校拒否の問題であり,学校現場で苦慮している実態を知ることができた。今後は,登校拒否の治療より予防ということで,研究を深める必要を痛感した。

高等学校教育工学講座

本年度も,教育工学概論,授業のシステム化,教育機器の3つの柱で内容を編成した。

教育工学概論は,教育工学の第―人者である東工大の末武国弘先生の「授業改善と教育工学」の講義で,たいへん好評であった。教育機器については,学校の設備状況を考慮してVTRとOHPだけにし,それをコースに分けて1日通して実施した。余裕のある実習になった。

高等学校国語講座

国語科専門教員40名を対象とし,専門分野と国語教育分野の研修を目的として実施した。

専門分野は新分野の「国語表現論」 (東北大・佐藤先生),異色の「人間と言語」(外山先生)現代詩(福大・木村先生)の講義,国語教育ではグループによる教材研究,奥の細道散策と句会を新にとりいれ好評であった。とくにグループ演習は宿舎でも自主的に続けられる熱心さであった。

高等学校社会講座(地理)

この講座は,社会科「地理」担当の先生方40名を対象に,社会科「地理」の各領域の指導内容および教職教養に関する内容を研修し,指導方を高めることを目的として実施した。宇都宮大・朝倉隆太郎先生の「最近の地理学と地理教育の動向」,東北大・設楽寛先生の「人間と環境」などの講義,福島大名誉教授・安田初雄先生指導による野外巡検は非常に好評であった。

高等学校数学講座

講座内容は,福大教授佐藤先生<代数学>,東北大教授土倉先生<確率論>,東京理科大教授柴田先生<解析学>,福大講師河野先生<数学教育と学習心理>など斯界専門の先生方の講義を中心として統計約推測とコンピューターについての実習を加味したものである。8月の酷暑の中で40名の先生方は熱心に研修された。

柴田先生・河野先生の講義はとても好評であった。

高等学校音楽講座

5か年計画の最終年にあたり,講座内容は例年とほぼ同じ「リコーダーの奏法とアンサンブル」 「ギターの奏法」 「筝の奏法」の実技研修と,これからの音楽指導内容の中核とすべく「基礎」の理論の講義が行われた。

さらに,いちばん遅れている 「日本の音楽」の領域が,京芸大・小島美子講師の「日本の音楽をどうとらえるか」で理論的に裏づけされ有意義であった。

高等学校美術・工芸講座

この講座は,焼きものによる造形美の追求ということから,同―人(15名)が2回受講し,前期は「成形の研修」後期は「本焼きの研修」と―貫した内容で行う予定であったが,事情により前期が中止になった。やむなく,各自持参の成形作品による本焼きと,七宝焼き,および現場での実例に基づく 「焼きもの」についての協議・討議を行い大変充実したものとなった。

高等学校保健体育講座

この講座は,高等学校保健体育科担当教員40名を対象として,保健体育科教育について研修し,指導方を高めることを目的として11月25日から4日間実施する予定であったが,事情により中止になった。講座内容として,「学習指導と体育心理学」 「体育の評価」 「運動生理学」 「複合トレーニング」 「学校体育の現状と課題」 「教材研究のすすめ方」などを予定していた。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。