福島県教育センター所報ふくしま No.26(S51/1976.6) -012/034page

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 ごく微量含まれ,ピ'タミンCの調理上の性質を理解させるには,視覚にうったえることがよいと思われ,強く印象づける手だてとして,ビタミンCの検出実験を考えた。

 実験を学習の中にどのように取り入れ位置づけて指導するのが効果的なのかを研究していきたい。

 2.仮説

 生野菜の調理において,ビタミンCの調理上の性質を理解させるには,ビタミンCの検出実験をすれぱ印象的に児童の心に残り,学習効果は高まるであろう。

 3.計画

(1)方 法   一群法(2)対 象   5年生 23名(3)組 織   個人研究を主体として,必要に応じて同        教科担当者の協力を得る。(4)日 程   第1期(5月〜7月)     ア 文献研究     イ 実態調査     ウ 研究主題,仮説設定と研究計画の樹立   第2期(8月一9月)     ア 事前テスト,事後テストの間題作成     イ 事前テストの実施     ウ 教材研究     工 指導案の作成とその検討   第3期(10月一11月)     ア 検証授業の準備     イ 検証授業     ウ 事後テストの実施と結果の分析     工 は持テストの結果の整理と考察   第4期(12月〜1月)     ア 研究のまとめと資料の整理     イ 反省と今後の問題点

 4.概要と考察

 (1)経過

1.検証までの準備

ア 教材研究

  仮説にもとづく検証授業を実施するにあたって次の点を中心に事前研究をした。

(ア) 単元のねらい,指導計画の研究,'指導資料の検討と作成

(イ) 実験に関する事前研究

(ウ) 単元の導入と各単位時間の問題は握の検討

イ 事前事後テストの問題作成と実施

 検証授業の単元のねらいを分析して次の観点によって,問題を作成して実施した

○調理に関する基礎的,初歩的知識,理解

○調理用具のあつかい方

○なま野菜の栄養についての理解

○食物の栄養的族とり方

2. 検証授業

ア 小単元名  野菜サラダの作り方

イ 指導計画  総時数  7時間

(ア)調理用具(イ)野菜の栄養          1(ウ)野菜サラダの作り方      1(本時)(エ)調理の計圃          1(オ)調理実習と食事のしかた    2(カ)調理の反省とあとかたづけ   1

ウ 本時の目標

 野菜サラダの作り方の中で,きゅうりの放水実験やビタミンCの検出実験を通して,ビタミンCをにがさずおいしく調理する方法や味付けは食べる直前にするのがよいことを理解させる。

エ 指導過程

    
段階  学習内容  学習活動  指導上の留意点  準備 
導入  1めあての確認  ○なま野菜の選び方,洗い方,切り方の注意すべき点を発表させる。  ○生食する野菜は新鮮なものをえらぶことや食品をよく流水で洗うことがたいせつであることに気づかせる。  ○野菜サラダの作り方掛図 
展開  2サラダの作り方 
  • 1人分の材料と分量の作り方をしらべる。
  • 用具の使い方をしらべる。
 
  • 1人約100gぐらいをめやすにし実物標本などから考えさせる。
  • 廃棄量も考えるようにさせる。
  • 調理用具や食品類のとりあつかいでは衛生に注意させる。
 
  • 計量ばかり 計量カップ 計量スプーン
  • まな板 ボール ざる ほうちょう バット,ごみ入れ,はかり さいばし,計量スプーン 
 

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