福島県教育センター所報ふくしま No.36(S53/1978.6) -007/034page

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土手

         土手


 (3)川原は水の流れが曲がっている内側にできているか,外側にできているか話し合わせる。
 (4)川岸がけずられているのは,同じく内側の岸か,外側の岸か話し合わせる。

3)川原におりて,川原の様子や水の流れを調べる。流水のはたらきは大別すると.浸食作用.運搬作用,たい積作用の3つのはたらきがあり、それらのはたらきは流水量や流速に関係していることを基にして観察・実習を進めさせる。
 (1)水の流れが曲がっている附近で,内側と外側とで流水の速さを測る。
流速を測る方法として,5mから20mの距離をとり,3人で1組つくり,1人は合図でうきを流し,1人はうきを追つかけ,1人は時間を測る。うきは発泡スチロールやヤクルトの空びんに小石を入れて密閉して用いるとよい。
 (2)川原から対岸に向って,川の深さはどのように変っているか、危険のないよう川原の近くで調べる。
 (3)透明プラスチック水槽や水中のぞき箱で,川底につもっている砂やレキの大きさが,川原から遠ざかるにつれてどう変っているか観察する。また,川底をのぞいて砂が流されている様子を観察する。
 (4)板(ベニヤ板)を白く塗って,その上に粘土,砂、レキを並べ水中や川底に沈めると,粒の小さいものの方が流されやすいことを観察する。

水中のぞき箱

水中のぞき箱

 (5)水の流れで,曲っている川岸がけずられている様子や,それを防ぐための防岸工事や,くいが打ってある様子,また,規模の小さい現象として,つもった川原の土砂(氾濫原)がけずられている様子を観察し、自然の偉大な力に直接ふれさせて流水のはたらきを膚で感じとらせる。
 (6)川原につもっているレキは,どのような時に運ぱれてきたか話し合わせる。

4.川原のレキの観察とデーターの整理

 川の観察を通して流水のはたらきを実感として受け止めた瞬間から,他の場所での観察の必要性を感ずるようになるだろう。流水のはたらきを長く受けた川下のレキと,短い川上のレキとでその姿は当然違っている。

木戸川の川口近くの川原のレキ


木戸川の川口近くの川原のレキ

1)川原のレキの調べ方
 (1)観察場所の選定
川原のレキや砂のつもり方や集まり方は,所によって偏りがあるので,川原での平均的なつもり方や集まり方をしている場所を選ぶ。
 (2)方形枠の利用
選んだ所を棒やロ一プを用いて1m四方の方形で囲う。
 (3)レキの大きさで分ける
1u方形枠刀中に入っている長径が5cm以上のレキ全てを新聞紙か.ビニールシートの上に取り出し,大きさによって,5から10、10から15、15から20、20,(p)以上(この数値は川によって整理しやすいよう定めればよい)の4グループに分け,その数を調べる。
 (4)レキの形で分ける
     (3)のレキを,形で丸い石(角がとれ丸みを帯びる)やや丸い石(角がとれ丸みを帯ぴているが,部分的に面が残っている),角ばった石(部分的に割れ口のように角ぱっている)の3グルーブに分けその数を調べる。

2)レキを表にして整理する。

例として浜通りの木戸川の下流(双葉南小)と川口近くのデーターを表にしたものである。


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