福島県教育センター所報ふくしま No.38(S53/1978.10) -016/030page
(ア)疑問や矛盾に気づく。
(イ)自ら疑問や矛盾をなくそうとする。
(ウ)疑問や矛盾を解決する見通しを持つ。
実際の授業の中で,(ア) 疑問や矛盾に気づく生徒は多い。しかし,(イ)疑問や矛盾をなくそうとする積極的な心の働きと,さらに,(ウ)疑問や矛盾を解決する見通しを持つ生徒は少ない。(イ)〜(ウ)ができたとき,問題意識が高まり,本時で何をどう学習するのか(本時の学習目標)をはっきりとらえたことになる。(イ)〜(ウ)に対する指導がうまくなされたとき,生徒は積極的に学習に参加するようになると考えられる。イ.対立する実験
対立する実験とは,
(ア)既習の知識と矛盾する事実や現象をもつ実験
(イ)あい反する事実や現象を組み合わせた実験
(ウ)既習の事実や現象と本時の学習に関する事実
や現象を組み合わせた実験
の三つを考えた。問題提示の段階で,この対立する実験を提示し,観察させ,生徒に疑問や矛盾を強く印象づけることをねらいとし,さらにその疑問や矛盾について話し合うことにより,学習が活発になると思われる。
2.評価の方法
ア.問題意識が高まったことについての評価
問題意識が高まったことについては,尺度設定を行い,授業で観察して評価することにした。
評価の観点を,つぎのように設定した。
(ア)自分から進んで予習するようになったか。
(イ)発言が多くなったか。
(ウ)既習事項を活用して学習しているか。
(エ)学習内容を十分理解できたか。
(オ)学習に積極的に参加しているか。イ.事後テストによる評価
検証する単元についての指導内容を分析し,主に知識・理解を中心として,25門を作成し実施することにした。
評価の観点を,つぎのように設定した。
(ア)電流と磁界との関係の理解と実験の操作
(イ)磁界に関する知識と実験結果より事象を推定する能カ
(ウ)磁界の中の電流がうけるカの理解
(エ)コイルによる磁界の向き,強さについての理解と実験操作3.検証授業計画
ア.単元名 磁界
イ.単元の目標
(ア)磁界は,磁カ線で表されることを理解させる。
(イ)電流は,磁界をつくることを理解きせる。
(ウ)磁界の中で電流は,その磁界から方を受けることを理解させる。
(エ)電動機によって,電気エネルギーをカ学的エネルギーに変えることができることを理解させる。
(オ)測定・規則性の発見などの科学の方法を習得させる。ウ.指導計画(7時間)
(ア)電流と磁界にはどんな関係があるか。
3時間(本時2/3時)
(イ)磁界の中て電流はどのような力を受けるか。
2時間
(ウ)磁界の強さを強くするにはどうしたらよいか。
2時間
エ.本時の目標
アルミニウムに電流を流したとき,そのまわりのようすが,磁石のまわりと同じ働きをすることを,確かめることができる。オ.準備物・資料省略
カ.指導過程
段階 学 習・活 動 内 容 指導上の留意点 実 験 群 統 制 群 問題提示 1.対立する実験を観察する。
(1)棒磁石と電流を流したアルミニウムパイプのまわりに磁針をおく。
(2)棒磁石と電流を流したアルミニウムパイプに鉄くぎをつけて見る。
2.観察したことからでてくる疑問について話し合う。1・本時の学習について説明する。
(1)電流と磁界の関係について・実験群では,気づいたことをノートにメモさせながら観察させる。
・実験群では,疑問の解決の見通しについても話し合わせる。