福島県教育センター所報ふくしま No.38(S53/1978.10) -015/030page
を反省してみたい。1.きょうの授業で,何を学習するのかわからないで,授業に参加している生徒が多いということは,問題意識が十分でないまま授業を進めていることであり反省させられる。問題提示をする場合,教師が単に学習課題を与え,無理に授業を進めていた傾向 が強い。生徒に疑問や矛盾に気づかせて,自分自身の学習課題として,問題をとらえさせ,授業を進めていく点が欠けていたのではないかと考えられる。
2.基礎的基本的事項の理解も単なる知識としてつめこんでいたのではないかと思われる。これらの知識も間題意識があって,必要感に支えられた納得と,満足のいく理解があって,はじめて知識を習得したことになると考えられる。したがって,学習に対する受動的な態度を作る―つの原因として,問題意識の持たせかたがあると考えられる。
2 仮 説
問題提示の段階において,疑問や矛盾に気づかせるため,対立する実検を行えば,問題意識は高まるだろう。
3 研究計画
(1)方 法
二群法による
(2)対 象
実験群 3年1組 (男,7名,女22名)
統制群 3年4組 (男,8名,女21名)
等質群の検定
<表5>
・等分散の検定 (F検定・両側)
知能検査 検 定
有意差の有無統制群 実験群 人 数 39 39 標準偏差
(分 散)7.8 9.4 (な し) 平 均 52.7 51.7 な し
F=1.45,F(39.39両側5%)=1.88
∴ F<F(39.39両側5%)
よって,有意水準5%で有意差は認められない。○平均の差の検定 (t検定・両側)
t=0.50, t(76両側5%)=2.00
∴ t<t(76両側5%)
よって,有意水準5%で有意差は認められない。<表6>
・等分散の検定 (F検定・両側)
学力検査 検 定
有意差の有無統制群 実験群 人 数 39 39 標準偏差
(分 散)8.0 8.3 (な し) 平 均 51.2 51.4 な し
F=1.08,F(39.39両側5%)=1.88
∴ F<F(39.39両側5%)
よって,有意水準5%で有意差は認められない。○平均の差の検定 (t検定・両側)
t=0.11, t(76両側5%)=2.00
∴ t<t(76両側5%)
よって,有意水準5%で有意差は認められない。(3)組 織
個人研究(4)日 程
1 研究計画(5月〜7月) ア 調査・研究主題の設定 5月〜6月 イ 研究計画,仮説の決定 6月〜7月 ウ 理論研究 6月〜7月 2 検証()8月〜11月 ア 教材研究と検証計画 8月〜9月 イ 検証授業 10月〜11月 ウ 事後テスト 11月 3 整理 ア 結果の処理と分析 12月〜1月 イ 研究のまとめ,反省 1月 4.概要と考察
(1)経 過
1 事前研究
ア.問題意識
問題意識とは,自然の事実や現象に対したとき,先行経験と対応させて,疑問や矛盾に気づき,疑問や矛盾をなくそうとして,解決の見通しを持った状態と考えた。
問題意識を高める上には,生徒がふだん持っている疑問などを授業の問題提示の段階で,生徒の心の中に強く印象づけ,解決の見通しを持たせなければならない。そこで,問題意識を高めることを,つぎの三つの段階に分けて考えて見た。
新しい自然の事実や現象に対したとき,