福島県教育センター所報ふくしま No.43(S54/1979.10) -032/034page

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VI 研究の反省と今後の課題

 「自ら考え,工夫して実践する児童活動」というテーマのもとに,実践的立場から追求してきた。2年目ではあるが,やっと研究の糸口をみつけたにすぎない。と言った方がよいかも知れない。内容的にも方法的にも,もっと深く掘り下げていく必要があると思う。
 しかし,いろいろの実践活動を積み重ね,研究協議を何回かくりかえしていく中で,次のようをことが,わかりかけたことは大きな収穫であった。

  1. 子どもの発想を生み,創意ある活動が展開されるには,相互に認め合い,受容し合える集団が必要であること。
  2. またこうした集団では,自己表現できる活動が期待できること。
  3. 子どもの主体的な活動を充実させていくためには,それなりに教師の配慮や助言が必要であること。
  4. 児童が自ら,ゆとりをもって,しかも充実した活動を自発的に進めていく中で学びとっていく過程を大切にしてきたこと。

<全校集会活動における読書活動>
 −七夕読書祭りを通して−
 子どもたちは,この七夕読書祭り全校集会活動で何を学びとったろうか。
(1)児童会活動は,自分たちの手でという自主・自治・所属感・連帯感への意識が高まったこと。
(2)とにかく実践してみる。この経験を通して実践力,見通し,企画性がでてきたこと。
(3)一つの事をするのに,なすことの意義に立ちかえって工夫して,活動しようとするようになったこと。
(4)学校生活を楽しくすごすための努力を自らすすめるようになったこと。
(5)読書に関する関心が高まり,以前よりは読書活動がましてきたこと。

<児童会活動と体力づくり>
 −全校運動集会を企画・運営した子どもたち−
 児童合の保健体育委員会の子どもたちが中心となって,フォークダンス集会や,水遊び集会を企画運営していった。フォークダンス集会では,音楽レコードに合わせて,最初は規定どおりのリズムに合わせておどった。しかし,グループごとに話し合わせて何回か,くり返していくうちに,自分たちで,おもしろいおどりを工夫したり,おどりの中に楽しい遊びをおりこんでいった。その時のかれらは,興奮し,夢があり,汗びっしょりになって活動していたのである。まさに充実感と満足感を味わい,子どもたちの目は輝いていた。このようを身体活動を通して,子どもたちは,身体をきたえることができるのだろう。
 企画の段階では,子どもたちは,大変苦労したが,こ困難を克確した喜びも充実感として,子どもの成長をうながしたことであろう。
 子どもたちは,ともすると興味本位で享楽的な活動に走りがちであるが,この点を充分指導すれば,この危険を克服することができるように思われる。

 −今後の課題−
1.いよいよ来年度から新教育課程が実施され,ゆとりの時間の活用が図られる。その活用の一つと.して,全校集会活動を,学校教育目標と集会のつながり,又年間を見直し,学校生活をより豊かにする集会活動として積みあげていきたい。
2.読書習慣,体力づくりをより充実させるために他の分野との関連をもたせた活動を展開させたい。3.児童の意識や態度の変容は握について,教師の情緒的な主観だけでなく,諸活動を通して「意識・態度」がどう変わったか。評価の観点を明確にして,客観的なデータを積み上げていきたい。
4.特別活動の指導時数について,ゆとりの時間,集会活動の再評価ということを考え,学校で適切に配当することを考えていきたい。

次号予告(44号)12月上旬発行
  • 巻頭言 … 所 員
  • 小学校教材(社会) … 所 員
  • 中学校教材(技術) … 所 員
  • 生徒指導と教育相談(その3) … 所 員
  • 学校経営 … 所 員
  • 研究報告(経営B) … 須賀川養護 沢田 卓二・湖南中 小林 庄朗
  • アイデア紹介 … (美術)
  • 随 想 … 所 員
  • 資料作品紹介 … 所 員


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