福島県教育センター所報ふくしま No.44(S54/1979.12) -032/034page

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     率が高くなってきた。

  1. 自己の努力目標への到達が,教育目標への到達に直結するような方法をとらせたこと。評価の観点が事前に提示されていたこと。どんな機会や場合に努力すればよいかが明確にされていたことなどが,こんな好結果を招来したものと推測される。
  2. 生徒一人一人に行動目標を設定させたので実践し易く,またなるべく測定可能な表現にさせたので評価し易い利点があったと思われる。
  3. 教師が日常指導している「服装,安全な生活,衛生的な習慣,時間なけじめ」などは当然よい結果がでて,「ねばり強さ,自分への問いかけ」というような内面的なものは評価の難しさも手伝って,悪い結果を示した。
  4. 評価Cの段階をとりあげて週の目標にしても,大規模校のためか速効性がきわめて薄い。
     やはり各学級において,地道な継続指導をしていくことが評価を高めていくこととわかった。
  5. 「C」の段階の生徒がある学級にかたよっていて,それが総体的に評価を低くしていることがわかった。学校,学年の経営において落ちこぼれのないよう協力指導の必要を強く感じたことである。
  6. 生徒の評価の順位と,教師の評価の順位とが,ほぼ一致しているのは,教師の観察の的確さを示すばかりでなく,次期への改善計画がしやすくなったと考えられる。

5. 今後の問題点

(1)内面的なものは,具体的な行動としてどのようにとらえ,それをどのように評価すればよいか,今後の研究課題である。
(2)学校行事や季節によって左右されるような努力目標や評価の観点を設定することは適切ではない。その時期が過ぎると評価の対象からはずれてしまう。注意しなければならない。
(3)生徒の努力目標,あるいは評価の観点にしてもそうだが,その中に含まれる行動型が2つ以上になると,努力のかけ方・評価のしかたがあいまいになって適切な資料とならない。今後は計画の段階から注意しなければならない。
(4)教育目標具現化のための学級,学年,学校の経営において果たすべき役割や機能を明確にしておくべきである。でないと落ちこぼれる学級や学年が生じてくるおそれがある。
(5)学校全体を対象にしてデータを集約し改善策を打ち出すには,相当の作業量を必要とする。 したがって,時間もかかり機を見て敏なる対策ができない。そこで学年単位で計画,実践,評価を行い,それを学校全体でまとめるようにしたいと思っている。

6. 参考文献

次号予告(45号)2月上旬発行
  • 巻頭言 … 所 員
  • 小学校学習指導(国語) … 所 員
  • 中学校学習指導(理科) … 所 員
  • 生徒指導と教育相談(その4) … 所 員
  • 教育センター次年度事業計画 … 所 員
  • 研究実践校紹介 … 福島高校
  • 研究報告(経営A) … 佐倉小 湯浅 伊佐夫・西野小 村上 昇
  • アイデア紹介 … (音楽)
  • 随 想 … 所 員
  • 資料作品紹介 … 所 員


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