福島県教育センター所報ふくしま No.45(S55/1980.2) -017/034page
2. 全体考察
ア 担当する校務分掌の職務の理解は、45%から91%になり、担当していない校務分掌の職務についても「理解、またはほぼ理解しているが73%におよんだ。これは、校務分掌に対する認識、自覚の高まりを示し、各繊鐡が関連しあい機能しあって効果的に運営していこうとする気運があらわれてきたと、いえよう。
イ 助言指導については「指導がたりない」とする数が零になった反面「簡潔すぎ懇切さを欠く」とする数が若干ではあるが増えている。指導助言は、職員の経験や個性等に応じておこなっているつもりであるが、更に今後は十分慮し意を致していかなければならない。
ウ 委員会活動において、特性を生かすことや経営に主体的に参加する志気にもかかわりをもっ「主任まかせが多い」とする数が、82%から36%になり「委員会のしごとを分担してすすめている」とする数が18%から64%になっている。このことは、繊哉活動に対する理解が深まり、自覚がたかまりつつあるものと考えられる。
工 「委員会で解決すべきことを常に考えている」が、低率の27%から高率の82%と変ってきた。これは現状に満足せず創意とくふうでもっとよい状態にもっていこうとする積極的な姿勢が高まりつつあるものと考えられる。このことは、日常の取り組みの中にもその変容がみられ感じとれるところである。
オ 共通理解、協力体制は目標達成に不可欠であるが、委員会活動についての協力体制については「不十分」とする数が73%から27%に減じ、共通理解では「問題ない」とする数が18%から64%となり、望ましい雰囲気に変りつつあると考えられる。
カ 主任まかせの雰囲気だったのが、共通の課題意識、分掌意識が高まってきて、主任は安易な或いはマンネリ化したりや方ではすまされなくなり、主任の「指導性の確立がせまられてきている」状態がみられるようになった。
5 今後の問題点
さきにあげた問題点解決のため「校務分掌に対する自覚」「委員会の運営」について、わずかに改善されたが、本研究のねらいは、共通の課題意識をもった志気の高い集団体制を醸成し、学校運営の効果を高めることにある。今後は、つぎのことを課題として掲げたい。
(1) 校務分掌のすべての領域の活動が更に積極的協力的、そして創造的に運営されるよう、最善の努力と配慮を尽していかなければならない。
(2) 小規模校であるので経験の浅い職員も主任の立場におかれることが多いから、主任の役割や職務遂行上の問題について、日常の実務を通して適切な助言指導をしていかなければならない。
6 参考文献
・校務分掌の組織と運営 宇留田敬一編
・学校経営コンサルティング 増田米治編