福島県教育センター所報ふくしま No.45(S55/1980.2) -027/034page

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<アイデア紹介>

歌うよろこびを味わうために

 二本松市立二本松南小学校  菅野 英美子

1 はじめに

 ある時の意識調査で「音楽がきらい」という答えがかえってきました。理由は、声が悪くうまく歌えないからという単純な答えでしたが、そうさせているのは、私達教師ではないかと日常の指導を強く反省させられたのです。上手に歌えなくとも、ひけなくても、音楽を楽しむことのできる子どもを作りたいと願いながらも実践している一例を以下のべてみたいと思います。

2 実践例

(1) 導入時の利用
1. 授業始めの短い時間に、教科書、各月の歌、歌集の中から数曲選び歌詞唱・階名唱・シンギングゲーム・ハンドゲームといろいろとりまぜて「あ、歌った」と満足感を味わえるだけの全エネルギーを集中して教師も一緒に歌います。
2. 3年生以上分科であるため週の初めに3年生の教材を板書しておき、読譜指導・リズム指導・形式の指導・楽器の指導として6年生まで使用します。高学年の児童にとっては思い出の曲ということで目を輝かせてとびついてきます。黒板が二重になっているためのよさでもあります。

(2) 歌唱の基礎訓練
1. 姿勢
2. 呼吸腹式呼吸.吸気.ささえ>省略
・呼 吸
 瞬間にさっと速く吸いこみ、いったん止めたなら、あとは細くできるだけ少しずつ吐かせます。学年ごとに目標を決めておき、持続時間の調査を月に一度行います。
・腹筋運動
 仰向けに寝て両足を30度位あげ時間をはかります。初めlO秒位で大さわぎしていた児童も、だんだん長い時間耐えられるようになってきています。また、床に足を下ろさないで交互に上げ下ろしします。学年の目標は、3年生150回、4年生200回、5.6年生300回で授業終わりのベルと同時に行い、できた者から教室にもどることにしています。家でも、朝晩やろうという努力目標にしていますが、完全実施とまではなかなかいきません。

腹筋運動写真

(3) 合同音楽(音楽室から体育館へ場を移す)
1. 目標省略
2. 内 容
 ・合同音楽の内容は、合唱・斉唱・輪唱とする。
3. 方 法
 ・全児童が出演し指揮者・伴奏者は学級ごとに人選し、児童があたる。
 ・各学級の持ち時間は5分以内とする。

合同音楽写真

 上記のような行事が近くなると、朝や放課後、教室のあちこちから歌声が流れ、しばらく廊下で立ち止まることもあります。お互いがみがき合うことのできるグループ活動、みんなで楽しむことのできる音楽会等、内容や方法を検討しながら、歌声の輸が広がることを願いながら、これからも努力していくつもりです。


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